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「そういえば、今月のお礼画面は何かしらね?」

今日は2月9日。
翌日非番の二人は、マリコの部屋にいた。
ソファに座り、土門はテレビでスポーツ観戦。
マリコは、その肩に寄りかかり科学雑誌を繰っていたのだが、ふと顔を上げ、冒頭のセリフを口にした。

「節分か、バレンタインデー辺りじゃないのか?」

土門の声は、明らかに「どうでもいい」といった雰囲気を醸し出している。

「でも今年の節分は2月2日だったでしょう?いつもと違う日にちのネタは難しそうじゃない?」

「そうだなぁ。管理人には無理だな( ̄ー ̄)ニヤリ」(←失礼な!💢)

土門はニヤニヤと顎をさする。

「節分はもう過ぎてしまったし、やっぱり無難にバレンタインデーかし……あらっ!?」

「ニャァ〜!?」

ふいに会話に割り込んだ声は、七色の瞳を持つ猫のそれだ。

「え!?オパール?あなた何処から入ってきたの???」

「不法侵入だぞ!」

土門に首根っこを捕まれて、オパールは不機嫌に猫パンチを繰り出した。

「ウニャニャニャ、ニャァァァ!」

「いてっ!」

「二人…じゃなかった。土門さんもオパールも落ち着いてちょうだい」

マリコは土門の手からオパールを引き取ると、膝に乗せる。
途端に、オパールは喉をゴロゴロと鳴らして大人しくなる。

「ちっ!なんて猫だ」

毒づく土門の顔をちらりと見ては、あくびを漏らすオパール。
今や人間と猫の上下関係が逆転しそうな勢いだ。

「ニャー!」

「なあに?」

オパールはマリコの膝から降りると、サイドボードに飛び乗り、そこに置かれたカレンダーに頭を擦りつけている。

「カレンダーがどうかしたの?」

マリコが近づいて見ると、オパールがぺろりとカレンダーを舐めた。
その場所は22日。

「あ!そうだわ。2月22日は猫の日ね」

「ニャァ♪」

「オパールが来たってことは、2月のお礼画面は猫の日かもしれないわね」

「ニャニャニャン♬」

オパールはご機嫌な様子だが、マリコと一匹の様子を眺めていた土門は怪しんでいた。

……あの、天の邪鬼な管理人が、そんな素直なネタを選ぶだろうか?

と、その時。

♪ピンポーン

「誰かしら?はーい」

パタパタと玄関に向かったマリコは扉を開けるが、外には誰もいなかった。

「おかしいわね…。え?オパール?」

マリコの足元を、ロシアンブルーの細身な体がすり抜けていく。

「もしかして…。もう、帰っちゃうの?」

名残惜しげなマリコを振り返り、「ニャァ」と一声鳴くと、オパールは軽快に走り去ってしまった。


「榊」

自分を呼ぶ声に、マリコは土門の元へ戻る。

「管理人からメールだ」

土門はマリコにスマホの画面を見せる。

「あいつも、たまにはオツなことをするな」

嬉しそうに笑った土門は、マリコを抱き寄せ…ソファに倒れ込んだ。

「なあ……」

「?」

「2月22日は何の日だった?」

「猫の日よ」

「何で猫の日なんだ?」

「それは多分…“ニャンニャンニャン”の語呂合わせからかしら?」

「……………」

「土門さん?」

赤い顔で口元を押さえる土門の顔を、マリコは不思議そうに見つめる。

「もう一度言ってくれないか?」

「え?」

「その……………語呂合わせだ」

「…………………………ばか!」

時に、男はそういう可愛らしい生き物なのだ。
そしてそれは。
どうやら土門も、例外ではないらしい。



ちなみに。
管理人が送信したのは…。

『今月のお礼画面に選んだ日にちは、ずばり今日です。
2月9日は…福の日。(“肉の日”じゃないですよ!)
福の重なる名前の私から、甘い夜をお二人へ。
思う存分、イチャイチャしちゃってくださいっ( *´艸`)♡』

さて。

管「オパール。特別出演、ありがとう!」

オ「ニャッ(ΦωΦ)」


(こっそり)
管「送信ありがとうございました!(≧∇≦)管理人の頑張る源です。ぜひまたお越しください(^^)」


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