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(コメントの返信は『Re:』ページをご覧ください)
深夜の科捜研。
ほとんどの部屋の電気は消え、唯一煌々と明るいのはマリコの研究室だけだ。
新しい年が明け、世間は未だ正月気分が抜けきれてはいないようだが、犯罪に正月は関係ないらしい。
仕事始めの日から、窃盗に暴行、大小かかわらず事件は起きている。
当然、マリコの元へは鑑定依頼が切れることなく舞い込んでいた。
鑑定に没頭していたマリコだったが、作業机の微妙な揺れに気づき、顕微鏡から顔を上げた。
「もしもし?」
『榊か?今、どこだ?』
「科捜研よ」
『まだ仕事してるのか…』
土門の声は呆れているようだ。
「だって、誰かさんから大量の鑑定依頼が届いたんだもの」
『…………………』
マリコの皮肉に相手は苦笑しているのだろうか。
ふっという息遣いだけが、マリコの耳に届いた。
『わかった。詫びの代わりに、今から差し入れを持っていく』
「本当?お昼から何も食べてないの。待ってるわ」
もう一度呆れたようなため息が聞こえ、通話は切れた。
「入るぞ。ほら、差し入れだ」
「ありがとう、土門さん。…わぁ、ほかほか!」
マリコが感嘆の声を上げる。
コンビニの袋の中身は中華まんだった。
「適当に見繕ってきた。好きなやつを食え」
マリコはピザまんを取り出すと、はむっとかぶりつく。
「旨いか?」
「ええ…はふっ。ふか、ふか…だ、はふっ、わ」
熱を逃しながら答えるマリコの様子が可笑しくて、土門は笑う。
マリコが持っている中華まんを見て、ふと思った。
そういえば、最後にこの中華まんのように白くて柔らかくて、温かいものに触れたのはいつだったろうか?と。
指折り数え、存外間が空いていたことに気づいた土門は、マリコの向かいの椅子に腰を下ろした。
「俺も最近、“中華まん”はご無沙汰だな」
「だったら食べる?」と言いかけて、マリコは土門の怪しい視線を感じた。
「!?」
危機を察し、慌てて立ち上がったマリコだったが、伸びてきた二本の腕に捕まった。
「土門さん!ここ……」
「分かってる。少しだけ、充電させてくれ」
土門はマリコの腰を抱き寄せると、胸に顔を埋めた。
そして目を閉じる。
マリコの鼓動のリズムが心地良い。
「土門さん?」
もうしばらくは、二人でゆっくり過ごす時間は持てないだろう。
だったらせめて今だけは…。
じっと動かない土門の頭を、マリコはそっと抱きしめた。
しかし…。
“ぐー”
「「!?」」
「残りもしっかり食っておけよ…くくっ」
笑いの止まらない土門は、真っ赤な顔のマリコにコンビニ袋を押し付ける。
「お前はもう少し太ったほうが抱き心地がいいぞ?」
「余計なお世話です!」
マリコは次なる中華まん…肉まんをパクリとくわえた。
(こっそり)
管「送信ありがとうございました!(≧∇≦)管理人の頑張る源です。ぜひまたお越しください(^^)」
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深夜の科捜研。
ほとんどの部屋の電気は消え、唯一煌々と明るいのはマリコの研究室だけだ。
新しい年が明け、世間は未だ正月気分が抜けきれてはいないようだが、犯罪に正月は関係ないらしい。
仕事始めの日から、窃盗に暴行、大小かかわらず事件は起きている。
当然、マリコの元へは鑑定依頼が切れることなく舞い込んでいた。
鑑定に没頭していたマリコだったが、作業机の微妙な揺れに気づき、顕微鏡から顔を上げた。
「もしもし?」
『榊か?今、どこだ?』
「科捜研よ」
『まだ仕事してるのか…』
土門の声は呆れているようだ。
「だって、誰かさんから大量の鑑定依頼が届いたんだもの」
『…………………』
マリコの皮肉に相手は苦笑しているのだろうか。
ふっという息遣いだけが、マリコの耳に届いた。
『わかった。詫びの代わりに、今から差し入れを持っていく』
「本当?お昼から何も食べてないの。待ってるわ」
もう一度呆れたようなため息が聞こえ、通話は切れた。
「入るぞ。ほら、差し入れだ」
「ありがとう、土門さん。…わぁ、ほかほか!」
マリコが感嘆の声を上げる。
コンビニの袋の中身は中華まんだった。
「適当に見繕ってきた。好きなやつを食え」
マリコはピザまんを取り出すと、はむっとかぶりつく。
「旨いか?」
「ええ…はふっ。ふか、ふか…だ、はふっ、わ」
熱を逃しながら答えるマリコの様子が可笑しくて、土門は笑う。
マリコが持っている中華まんを見て、ふと思った。
そういえば、最後にこの中華まんのように白くて柔らかくて、温かいものに触れたのはいつだったろうか?と。
指折り数え、存外間が空いていたことに気づいた土門は、マリコの向かいの椅子に腰を下ろした。
「俺も最近、“中華まん”はご無沙汰だな」
「だったら食べる?」と言いかけて、マリコは土門の怪しい視線を感じた。
「!?」
危機を察し、慌てて立ち上がったマリコだったが、伸びてきた二本の腕に捕まった。
「土門さん!ここ……」
「分かってる。少しだけ、充電させてくれ」
土門はマリコの腰を抱き寄せると、胸に顔を埋めた。
そして目を閉じる。
マリコの鼓動のリズムが心地良い。
「土門さん?」
もうしばらくは、二人でゆっくり過ごす時間は持てないだろう。
だったらせめて今だけは…。
じっと動かない土門の頭を、マリコはそっと抱きしめた。
しかし…。
“ぐー”
「「!?」」
「残りもしっかり食っておけよ…くくっ」
笑いの止まらない土門は、真っ赤な顔のマリコにコンビニ袋を押し付ける。
「お前はもう少し太ったほうが抱き心地がいいぞ?」
「余計なお世話です!」
マリコは次なる中華まん…肉まんをパクリとくわえた。
(こっそり)
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