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昼下りの科捜研。

「マリコさん、新任の刑事さんから告白されたって本当ですか?」
「やだ、亜美ちゃん。大きな声で言わないで…」

マリコは思わず周囲を見回す。 

「じゃあ、本当なんですね?今年に入って何人目ですか?」
「そんな、何人もいないわよ」
「いーえ!私が知っているだけでも4人はいますよね?」
「そ、そうだったかしら?」
「マリコさん、美人ですもんねー」
「もー、亜美ちゃん!」
「土門さんにバレたら、その刑事さん……締め上げられますね」

「俺がどうしたって?」

タイミングよく土門が現れた。

「「土門さん!」」
「涌田、何の話をしてたんだ?」
「何でもないわ!ところでどうしたの?」

マリコは強引に話を遮る。

「ん?鑑定依頼と、あとちょっとな……」
「なに?」
「…ちょっと、顔貸せ」


土門はマリコと研究室へ入ると、外からは死角になるキャビネットの裏にマリコを押し込んだ。

「お前、若造に告白されたらしいな?」
「え、何で?」
「知ってるのかって?俺も刑事だからな。署内にも情報屋はいるんだ。で?何て答えたんだ?」
「もちろん、断ったわよ!」
「あまり言いたくはないが……」

コホンと一つ、土門は咳払いをする。

「お前は一般的、相対的に見て、恐らく……美人だ」
「……それ、褒めてるの?」
「事実を述べているだけだ。だから、言動には気をつけろ」
「どういう意味?」
「お前、その刑事に鑑定依頼書の書き方を熱心に教えてやったそうだな?」
「ええ。だって書いたことがなくて、分からないって言うから…」
「そういうことは上司に聞けばいいことだ。お前はただ教えただけかもしれないが、相手はそれ以上に捉えたかもしれんだろう?」
「考え過ぎよ。大体、私、美人なんかじゃないわよ」
「美人の女は大抵そう言うんじゃないか?」
「そんな……」

「あのぉ……………」

恐る恐る顔をのぞかせたのは…。

「亜美ちゃん!?」
「涌田?聞いてたのか?」
「すみません…気になっちゃって」

エヘヘ…と亜美は人差し指で頬をポリポリと掻く。

「土門さん、いい物を見つけたんです。マリコさんにこれを渡したらどうでしょう?」

亜美は土門にパッドを見せる。

「ん?美人証明!?そんなものあるのか!」
「はい。少しは自覚が出るかもしれないと思って」
「そうだな。ないよりマシだな。さっそく手配を頼むぞ!」
「ラジャーです!」

亜美は敬礼して見せると、そそくさと自分のデスクに戻る。


「そんなの必要ないのに…」
「俺が必要なんだ。頼むから自覚して行動してくれ、万が一にでも……」
「?」

「横からお前を奪われては困る」

死角なのをいいことに、土門はマリコへ接近する。
熱い眼差しに射抜かれる…。
互いの息遣いが聞こえる……。


「土門さん!カードサイズとはがきサイズ、どっちにしま……あ!」
「「……………」」

慌てて距離を取る二人。

極寒の京都も、この部屋だけは常春らしい。



※12月2日は『美人証明の日』だそうです。
意味合いは少々異なりますが、美人証明は実在します。
サイズも2種類から選べるそうです!(笑)
《参考サイト》
https://saizi100.com/kinenbi/12/bizinsyoumeinohi


(こっそり)
管「送信ありがとうございました!(≧∇≦)管理人の頑張る源です。ぜひまたお越しください(^^)」


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