『密着!どもマリ24時』(エイプリルフール編)

in Mariko’s house




♪ピピピピ……
♪ピピピピ…………

目覚ましがいつまで経っても止まらない…。
そのことを不思議に思ったマリコは、ようやく目を開けた。

いつもなら目覚ましは勝手に止まり、自分を起こすのは温かい手と、二人だけの時の優しい声。
そして時々はあつい熱。

でも今朝はそのどれでもない。

「土門さん?」

ベッドの隣はもぬけの殻だった。

マリコは昨夜の名残から気だるげに起き上がり、リビングを抜け、キッチンをのぞく。
そこにも土門の姿はない。

しかしテーブルには朝食が用意され、コーヒーもセットされていた。

顔を洗おうと向かった洗面所も無人だった。

マリコはコーヒーを手に、ソファに腰を下ろすと、スマホを開いた。

一件の新着メッセージ。

『東京に出張になった』

その一言だけ。
着信時刻は朝5時半。
呼び出され、すぐに出かけたようだ。
刑事なら、不測の事態にも対応しなければならない。

でも……。
今日は、久々の二人揃っての非番の日だった。

「仕方ないわよね……」

ほんの少し。
一人きりになってしまった朝を寂しく感じる。
と同時に。
マリコは、忘れずに自分の朝食を用意してくれた土門に感謝する。

「いただきます!」



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