チャレンジ企画
「こちら新商品のサンプルです。使ってみてください」
マリコはロ〇シタンでハンドクリームのサンプルをもらった。
桜色の包装が可愛らしいかったので、お風呂から上がると、さっそくつけてみた。
「あっ!土門さん、土門さん!」
マリコはソファでくつろぐ土門の隣に座り、手のひらを差し出す。
「どうした?」
「ハンドクリームを出しすぎちゃったの。少しもらって?」
そういうと、マリコは土門の手を取り、甲の部分に塗り込む。
ゆっくりと優しく撫でられ、初めは心地よく感じていた土門だったが……。
お風呂上がりの上気した肌に、乾ききっていない後れ毛。
大きめのシャツの襟ぐりからちらりと覗く鎖骨。
それらが土門によくない想像を煽る。
「どう?いい香りでしょう?」
土門は自分の手をくんくんと嗅ぐ。
「花の香りがするな」
「ええ。いい香りだわ。それに……土門さんとお揃いね」
少し首を傾げ、マリコはにっこり微笑む。
髪が……さらりと揺れた。
「………………」
土門は“ぽいっ”と理性を手放す。
すべてはこの香りのせい。
fin.