Love is all





1月も半ばを過ぎて、ようやく土門とマリコは3日間のまとまった休みを取ることができた。
この休暇を利用して、二人は横浜のマリコの実家を訪れる計画を立てていた。
新年の挨拶と。
そして、二人のこれからについて。
伊知郎といずみに話すつもりだったのだ。

この計画を持ちかけたのは土門だ。
昨年の暮れの事件をきっかけに、土門は改めてマリコのことを考えていた。
有雨子に感じていたような、熱く激しい感情ではないかもしれない。
もっと穏やかで温かく、染み込むような……。
それでいて、決して失うことはできない。
離れることは許さない。
そんな複雑な感情が土門の中には渦巻いていた。

つまりは。

――――― 守りたい。

それが全てだ。


そして、まさにこれから…というときに、二人は事件に巻き込まれてしまったのだった。




救急車の中で、マリコは土門に声をかけ、懸命に励まし続けた。
ピーと機械音が鳴る度に、ビクッと肩を揺らし、ただただ土門の名前を呼ぶ。

「土門さん!土門さん!お願い……」

――――― ……逝かないで。




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