青天に鐘がなる
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「ゼルダ様、この先がイチカラ村になります」
ゼルダの前を先導して歩いていたリンクは馬を停止させ声をかける。
「楽しみですね!」
「はい」
表情があまり顔に出ないリンクも今日ばかりは喜色が滲み出ている。その声色は穏やかで再びこの地に帰ってくることのできた喜びを噛み締めていた。
彼女に胸を張って会えるように自分の役目を果たしてきた。少し時間が掛かってしまい心配をかけてしまったかもしれないけれど……。
今すぐにでも駆け出してこの腕で抱きしめたい。
しかし今のリンクはゼルダ姫付きの近衛騎士だ。ゼルダを護衛することが100年前から課されたリンクの任である。
逸る気持ちを落ち着けようと胸に手を当てると懐から甘く爽やかな香りが香る。
この香りは愛おしい記憶たちを鮮明に思い出させてくれた。
——彼女はどんな顔で迎えてくれるだろう。
馬が一歩一歩大地を踏み締めるたびにイチカラ村の門が近付いてくる。色彩豊かな建築の家々が見えてくる。
黄葉した木々。あたたかなランタンの灯。何もかも最後に見たままだ。
噛み締めるようにイチカラ村の門をくぐると、求めてやまないその人はやはり変わらず女神像の前にいた。
「ただいま」
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