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夢小説設定
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「――――?」
自分の中で何か蠢く。光の精霊が姿を変えて、光の杖が私の手に降り立った。人間の体に変わっても、精霊は私のことを“冥界の番人”だと認めてくれたらしい。
「あの時は悪魔に邪魔されたけれど、彼らに永遠の安らぎを」
そう言って光の杖が空に一筋の光の柱を立てた。天界へとつながったその柱に、彷徨う魂が導かれていく。
その輝く光を見送っていると、屍霊魔法を使うラデスが、魔法を唱えてパトリの魂を現世に戻してしまった。
「このままキレーにめでたしめでたしで消えさせねえ!オレはてめえを絶対に許さねえ!てめえはてめえが踏みにじった人間のことを・・・オレのことを考え続けろ!」
そういって複製体に魂を埋め込まれたパトリは、戸惑いながらもラデスに「礼を言うべきなのかな・・・償いの機会を与えてくれた・・・」という。
結果はどうであれ、ウィリアムさんとパトリがこのような形で対面するとは思わなかったので、二人が戸惑いながらも話を始めるところを見守っていた。
「まさか・・・君とこうして触れ合える時が来るとはね・・・同じ罪を背負った最も親しき友よ・・・君に掛けたい言葉がたくさんあったはずなのに・・・」
「ウィリアム・・・」
「今はそれより・・・許されなくても謝らなければならない人がいる・・・すまないヤミ、勝手な願いだとわかっている・・・ユリウス様のもとへ連れて行ってほしい・・・!」
「私からもお願いします。ヤミさん」
ウィリアムさんの頼みに私もお願いすると、険しい顔をしていたヤミさんが「ああ」と答える。
行こうとするヤミさんが振り返って「てめえは行かねえのかよ」というが、私はルミエルさんを見て「あとから追いかけます」と言った。
「リン」
「ルミエルさん・・・」
「君が説いてくれた理想郷がこの時代にもしっかりと受け継がれていた―――ありがとう。」
「それが私の使命ですわ――――でも、あなたと再会できるなんて夢のようでした―――」
彼にとってももう残り少ない時間なのだろう、体に亀裂が入っていくのがわかる。
ノエルちゃんやアスタ君、ミモザ、ネロに見守られる中、ルミエルさんと握手をして、足早にヤミさんのあとを追いかけていった。