14
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
時は再び500年前にさかのぼる。
テティアを救った一件から人間とエルフの親交の機会が増え、ルミエルにクローバー王国の王宮に招かれたリンは落ち着かない様子で客室で待っていた。
出された紅茶の味が高貴すぎてわからないと思いながら、ところどころにちりばめられている黄金の装飾や煌びやかに光るシャンデリアを見つめる。
程なくして、年端もいかない少女の従者―――名はセクレと言った。彼女が迎えに来てくれて、王子のところへ連れていってくれるらしい。
「よろしくね、セクレ」
「・・・よろしくお願いします。」
彼女はあまり話をするのが得意ではない様子だった。沈黙が続く中、彼女の後ろをついていくと、防犯対策のためかところどころに魔力の宿った通路を感じる。
要人ばかりが集まった王宮だ。少しずつ部屋の場所を変えているのかもしれない。と思いながら、セクレは王宮の中を迷うことなく案内してくれて、王子のいる部屋に通してくれた。
「やあ、リン。遠いところからわざわざ来てくれてすまなかったね」
「いいえ、ルミエル王子。それで、お話・・・とは」
王子は革新的な考えを持っていて、魔力が低い者でも不自由なく過ごせるように魔導具の作成を熱心に研究していた。現に、彼の部屋の中は作成途中の魔導具や文献でお世辞にも綺麗とはいえなかった。
「そう、エルフの魔石のことなんだ。あれは異界と繋がって魔力を増幅させる力を持つよね」
「ええ、おっしゃる通り。冥府の番人があの世とこの世の力の均衡を保つために、あの世にすくう膨大な魔力を10の魔石に込めたのです。」
「冥府の番人―――それは君の本体ということ?」
私はそうつぶやくルミエル王子に頷いた。彼はこの魔石を使って、魔導具を作ろうとしているのだろうか。
エルフとの間に平和と平等が築けるのなら、私は喜んで知識を分け与えたいと思った。
それからというものの、頻繁にクローバー王国に通った私は、そこに住む人たちに慈悲と博愛の精神を教えつつ、ルミエル王子やセクレと平和と平等の魔導具の完成のため尽力を尽くしたのだった――――――