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セフィラの徒の移動を確認し、『黒の暴牛』の団員たちとゴーシュとマリーが対峙しているところを観戦していると、私の中のもう一人の自我が叫びだした。
≪・・・戦っちゃ・・・だめ・・・≫
どうやらパトリに刺されたリンの自我が私の中で叫んでるのだ。
最果ての村の復活の礎の前に取り残されたウィリアム・ヴァンジャンスの魔導書を手に取った時も「捨てないで」とお願いしてきたことだし、彼女はかなり自我が強く頑固らしい。
≪みんなを・・・守りたいの・・・変わって・・・お願い≫
「あなた・・・まだ完全に復活してないのに、私を乗っ取ったら最悪飲み込まれて自我まで消えるわよ」
≪それでも・・・私は大切な子達が戦う姿は見たくないの・・・≫
私はため息をついた。500年前のエルフの転生体が人間に滅ぼされた時、こんな我儘は言ってこなかったはずなのだが・・・。
おそらく私が堕天使に落ちたせいで、転生体にも何らか精神的に影響があったらしい。どこか人間臭いというか神聖さに欠けるというか。
「なら、彼らを守りたければ、私の体を乗っ取ってみなさい。」
視界が暗転したり明転したりして平衡感覚が失われる。自分がどこに向かっているのかわからないし、とにかく頭の中がごちゃごちゃと記憶の混乱が起きている。
私はだレだ・・・?神の使いだったか、伝説の聖女だったか、冥府の番人だったか・・・?私は神の使いとして使命を全うしナけレば、なラないのダ・・・。
おまエはなンだ・・・たダのわたしの、てンせいたい、タダのうつワだったわたしのぶンしん
つめタい、いタい、かナしい、コわイ、おまエはなンだ・・・こノわたシの邪魔をすルな・・・・!!!!!
≪変わって、お願い あなたの使命も私が 包み込んで一緒に背負うから≫
光魔法がリンを包む。もとは私の光魔法だったのになぜ光の精霊が私の転生体ごときに味方する・・・・!?
このままでは本当にリンが私を乗っ取る。だめだ、そんなやめてあなたに私の罪を被せるわけにはいかないのに。
「『消えなさい』『消えなさい』『消えなさい』『消えナさい』『消えナサイ』
消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ・・・・!!!!」
言霊魔法でいくらリンの自我を無くそうと唱えようとも、彼女は消えることはなかった。そして微笑んだ彼女は、
私を優しい光で包み込んで――――――――自我を乗っ取った。