13
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「聖女様―――その翼――――――」
エルフたちは私の漆黒の翼にあんぐりと口を開けていた。天使と似ては似つかぬその姿に動揺しているのだろう。
だが、残念ながら驚いている時間はないのだ――――私は天界の魔法を唱え、グラビド岩石にそのマナを込めた。
「はじめましょう」
セフィラの徒をグラビド岩石に描かれた術式の位置に各々配置される。
さあ、冥府の門をこじ開けたこの一行は天界の神々に果たしてどう映るのだろうか。
王宮の裂け目から姿を現す漆黒色のあの世とこの世をつなぐ王宮――――一度入ったら最後、私の許可なしに外に出ることはできない魔宮『影の王宮』の登場だ。
バチバチと静電気のような音を立てて、影の王宮への扉が空間魔法のように渦巻いている。
私が『影の王宮』の
怖気づくことなくその異空間へと身を投じていくセフィラの徒はさすが肝が据わっている。
その中で、ライアは影の王宮へと入る前に私を見やった。おそらく、天使の皮を被った悪魔のような違和感に薄々と彼は気付いたのだろう。
「なぁ天使の姉ちゃんよ―――――――間違ってたら謝るが、もしかして本当は天使じゃなかったりして?」
「ふふ、ライア。あなたは昔からそう―――いつも感がよくて賢いから、早死にしないように気を付けた方がいいわよ」
慈愛も博愛もへったくれもない凍てついた瞳でライアを見据え、マナの重圧を彼にあてた。気を抜けばその押しつぶされそうなマナの殺気に思わず彼はたじろぐ。
「余計な詮索はやめた方がよさそうだ――――あっちで待ってるよ、リン」
そう言ってライアは影の王宮へと入っていった。