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起きると外は夕焼けが見えていて、眠たい目をこすりながらシャワーを浴びる。
三日くらいフィンラルの治癒魔法でシャワーも浴びれてなかったからとてもすっきりした。
私は『黒の暴牛』のローブを部屋に置いて、ウィリアムさんから渡された『金色の夜明け』のローブを羽織った。
「よし、引っ越ししますか」
光の精霊を呼び出し馬の姿に変えて、馬車にまとめた荷物を置いた私は、のんびりと『金色の夜明け』に向かうことを決めた。
おそらくロイヤルナイツ選抜試験に通ったものたちは既に白夜の魔眼の根城に侵攻していることだし、人が少なくて目立たなくて助かると鼻歌でも歌う。
ふと思い出すのはウィリアムさんの顔だが、彼を止めないで意思を尊重しようと自分が決めたことだ。後悔はしちゃいけないと自分を奮い立たせた。
本部についたころには、夜もすっかり更けていた。
『金色の夜明け』について、団員達に自分の部屋を聞くとなぜかウィリアムさんの自室の隣だった。
「これ・・・王様の奥方が使うような部屋じゃないのかなあ」
部屋を通されると、そこは『黒の暴牛』とは打って変わり、荘厳な装飾と自分には勿体ないような広い部屋。
自分が持ってきた荷物などクローゼットの半分で収まってしまい、残りの部屋はどうしたらいいんだろうとそわそわした。
ウィリアムさんの執務室には本人はおろか団員も近くにいなかった。廊下に出て通りすがった団員に聞くと、彼はしばらく不在らしい。
白夜の魔眼のこともあるだろうしそりゃそうかとため息をついた。心のどこかでまた会えるのではないかと期待する自分が嫌になってくる。
自分の新しい寝室の新調されたふかふかのベッドに横になると、
さすが『黒の暴牛』のベッドと格が違うというか上質ですべてを包み込んでくれそうなそれは、私に安眠を誘ってきて重い瞼を閉じてしまった。
何時間経ったのだろうか、時計がまだないのでわからないけれど、私が“彼”のマナを感じて飛び起きたのはすっかり寝静まった深夜だった。
ウィリアムさんが、そこにいるの・・・?
ふらふらと、寝起きの私は隣の部屋のウィリアムさんの執務室に向かってノックする。
こんな夜更けに人が訪ねてくると思わなかったのだろう。彼は驚いた声で答えて、扉を開けてくれた。
金色の仮面を被った彼は、普段と変わらず優しいアメジストの瞳で私を捕らえていた。
心の中にしまっていたウィリアムさんの会いたい気持ちが、洪水のようにあふれ出てきて、嬉しいはずなのに涙の膜が私の視界を覆って、気付いた時には彼の胸の中に飛び込んでいた。