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騎士団本部を出てすぐ、女性の周りにいるフィンラルをいとも簡単に見つけた。
私のマナを感じ取ったのか足早に向かってくる私に引き気味に「どどどうしたんすか!?」と聞いてくる。
「フィンラル!ごめんねナンパ中に。仕事よ!キテンに行かせて!」
「えええリンさん・・・!?わ、わかりました!」
わけもわからずフィンラルはキテンに空間魔法で飛ばしてくれた。
ちょうど飛ばされた先にウィリアムさんがいて、世界樹魔法を発動していたところだった。
驚いたウィリアムさんが、空から降って来た私を抱きとめる。
何が起こったのか把握しきれず私は上を見上げると、あと数センチでウィリアムさんとキスできそうなくらい顔が近くて思わず固まった。
「やあ、リン。空から降って来たから天使かと思ったよ・・・私を助けに来てくれたのかい」相変わらず顔色を変えないでほほ笑むウィリアムさん。
私は「ぬああああああ」と叫び声をあげてウィリアムさんから離れた。
「・・・と思いユリウス様の命で駆け付けたのですが、この様子では必要ありませんね」
どくどくと高鳴る胸を押さえながら、落ち着いて屋根から見渡すと、『金色の夜明け』の圧倒的優勢の局面だった。
ユノ君が八輝将を倒しているところをみるに、彼はルーキーなのだと感じた。
ウィリアムさんへの攻撃を避けるため光魔法で防御する。防御壁を張った瞬間、こちら側に無数の魔法攻撃が飛んできた。
「ふふ、そう言いながら防御魔法で私を守ってくれているところは相変わらずだね」
「『灰色の幻鹿』の時みたいですね。私達」
世界樹魔法は強大が故に発動には時間がかかるためよく私はウィリアムさんの防御回復役としてサポートに回っていた。
そこにいると危ないよ、とウィリアムさんが私を抱き寄せる。顔が近い、と思いながら動揺がマナに現れていけないいけないと平静を取り戻した。
「機は熟した 今大樹が芽吹く・・・!世界樹魔法 ミスティルテインの大樹」
ウィリアムさんの世界樹魔法が発動し、敵のマナを存分に吸収した大木がキテンに立ち上がった。栄養となった敵の魔導士たちは木に絡まって、マナが尽き果てるまで離されないだろう。
「相変わらず壮大な魔法・・・」
「すべてはクローバー王国の繁栄のために・・・!」
私たちもその大木の太い枝に乗って上空に昇っていく。私を落ちないように支えてくれているウィリアムさんは相変わらず紳士だ。
下をみるとわりと地上まで距離があって足がすくんだ。
「ここまで大木になるなんて・・・やはり相当の魔導士がいたようですね」
「そうだね・・・だが粗方これで片付いたかな・・・?」
そう言っていると、八輝将の一人が私たちの前に現れて攻撃魔法を発動した。
「貴様が金色の夜明けの団長か・・・!見くびっておったわこのようなとてつもない魔力を持っていたとは!」
「そちらこそ素晴らしい魔力だ・・・無駄に散らすことはない。仲間を連れてこの地を去れ」
「ダイヤモンド軍人に・・・撤退の二文字はなああああい!!!」
「ウィリアムさん!」
光防御魔法を発動する前に、ウィリアムさんは世界樹魔法で敵を木に変化させた。
さすが、昔よりスピードも威力も強大になっている―――
「―――光栄に思うがいい。君の魔力はクローバー王国の糧となったのだから」
私たちの後ろにダイヤモンド伏兵が再び攻撃を仕掛ける―――
「光防御魔法 花籠」
最速の光魔法で攻撃を受け止める。反撃を仕掛ける前にウィリアムさんと私の目の前に闇魔法が飛んできて、相手の伏兵を追い払った。
「おっじゃま~~金ピカヘンテコ仮面マンと伝説の聖女サマ」
「ヤミさん・・・!」
思った以上に早い到着に私は驚いた。さすが団長・・・。
そう思っていると、いつもの彼とは違い真剣な表情で私たち見据え、背筋が凍った。