09
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ノエルちゃんの水創生魔法に包まれて海底神殿に到着した私たち『黒の暴牛』団一行は、珊瑚や岩石で作られた城の中を進む。
すると、そこの原住民達が私たちを見るなりわあわあと歓声を上げて取り囲んだ。
どうやら、ここに外の人間が来たのは10年ぶりぐらいだそうで・・・ヤミさんはその歓声をばっさりと遮って「この神殿のボスを出せや」と住民達に凄んでいた。
大司祭と呼ばれる海底神殿のボスのいる建物に連れてこられた我々は、原住民に見送られながら中に入っていく。
そこから出てきたエイリアンのような深海生物をゴーシュ達が攻撃魔法で瞬殺し、それを見ていたおじいさんがこちらにやって来た。
「こいつあ―――面白そうなやつらがきたのおおおお~!いらはい海底神殿へ!わしがここの大司祭じゃ~~~!」
「なんだァ?このハイテンションジジイは」
「オマエさんらの目的は魔石じゃろ?欲しかったら・・・ちーっと遊ばんかい?」
「しょうがねーいいぜじーさん。この遊びの達人が勝負してやるよ・・・!」
とヤミさんが割って出てくる。カード?サイコロ?と賭博する気満々のヤミさんを大司祭は「白熱~神殿バトルロワイアル~!」と理解できないゲームを口に出して、岩場から複数の扉を魔法で出現させた。
そこから9人の海の生物の仮面を被った魔導士達が目の前に現れる。
「お呼びですか、大司祭!とうとう海底神殿に来れる外の魔導士が現れたんですね!」
「―――けど、思ったより大したことなさそうかも」
事態が把握できないまま大司祭の「ゲームスタート」の言葉で、床が割れて『黒の暴牛』のみんなは散り散りに落ちていった。
『ルールは簡単!神殿内の各エリアに散らばったお前さんたちはこれから9人の神官魔導士と9対9の対決をしてもらう!
気絶したら勝ち!ギブアップさせても勝ち!先に相手チームを全滅させるか、制限時間の1時間以内により多くのメンバーが残ってたチームの勝利じゃ!
対戦方法は自由!タイマンで戦ってもよし!逃げ回ってもよし!仲間を見つけて徒党を組んで戦ってもよし!ただしわしのお邪魔魔法もあるから気いつけてな~』
んっふっふと笑う大司祭のおじいさんを前に私とヤミさんはご飯が用意された部屋になぜか立っていた。
「さあーて、わしらはここで観戦というこうか、酒もつまみもあるぞえ~」
「ジジイてめえ・・・!攻撃魔法つかえねえリンはともかくオレをゲームからのけ者にすんなよ!悲しいだろうが!」
「ヤミさんが戦ったらチート並みに強いから面白くならないんじゃないですか」
「『伝説の聖女』様の言う通り、オマエさん達はちと強すぎるからの~」
「何だ、わかってんじゃねーかジーサン」
「ふふ、私のことを知っていただけて光栄ですおじい様」
「そーじゃろそーじゃろ」
そう言って3人で酒を酌み交わす。
大司祭が『黒の暴牛』の魔導士の等級について聞いてきて、ヤミさんは全員下級だと答える。
その答えに大司祭は神官魔導士は中級魔導士以上の力があるぞと笑っていたが、残念ながら『黒の暴牛』は仮初の等級だ―――
真の実力は等級では計り知れない。大司祭が笑っているのもつかの間、『黒の暴牛』は9人生き残っているのに対して、神官魔導士は5人と劣勢を強いられていた。
「あ・・・あの子・・・」
ノエルちゃんの前に、イルカの仮面を外した神官魔導士―――カホノが現れる。
「あの子も神官魔導士だったのね―――」
「あん?知り合い?」
「ノエルちゃんの魔法訓練に手伝ってもらった子です。海底神殿からラクエに来てたんですね」
「ありゃわしの孫じゃ!」と自慢げに言う大司祭。だから魔力もそれなりに高かったのか―――と納得する。
ほほえましく二人の戦闘を観戦しているもつかの間、邪悪なマナを感じ取った私はヤミさんを見た。ヤミさんは「わかってら」とつぶやく。
程なくして、この神殿の中に“白夜の魔眼”の三魔眼の一人――――『絶望』のヴェットが現れた。
その攻撃を受けた神官魔導士や『黒の暴牛』の団員たちが映像で映し出される。
ヤミさんと私は立ち上がり、ゲームの部屋の中に入れるよう指示するが、ゲームが終わるまでここから出ることはできないといわれた。
「それじゃ勝手に出るわ」といってヤミさんが闇魔法で部屋を切り裂いたが、その先は空間魔法によって閉じ込められており、それが“白夜の魔眼”によるものだと把握した。
「おいジーサン、あっちに声は届けられるか?」とヤミさんは大司祭に聞く。
そしてゲームの神殿内にいる『黒の暴牛』の団員たちに“白夜の魔眼”の三魔眼の一人が侵入してきたことと、自分と私が行けないことを伝えたうえで「全員 今ここで限界を超えろ」と激励した。
とはいえ、可愛い『黒の暴牛』の団員たちが危険にさらされている中私たちが胡坐をかいているわけにもいかない、何とかして脱出し助けに行く方法を考えなければ―――と頭を回転させる。それはヤミさんも同じだった。
いつも余裕のあるヤミさんが今回は表情が曇っている。声をかけたら切れられそうだと思い、なんとか空間魔法に囚われない光の精霊で彼らのサポートに当たるよう命令し散り散りに飛ばした。