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side Yami...
リンを起こした後、廊下で悶々と昨日の夜を思い出す。
あの新聞記事でクソほどムカついていたオレはあいつからの『碧の野薔薇』のパーティーの誘いを一蹴した。
その腹いせにかしらねえが酔っ払いのリンがオレの部屋の扉を蹴破って泣きわめいていた。
「お前マジでいい加減にしろ・・・」
「ぐえええええヤミさあああああああああああん」
何もオレの言葉は届くことなくわんわん泣きわめく『伝説の聖女』サマ。
普段こんな酔い方しねーのに粗方ツンツン女王様が無理やり飲ませたんだろうと推測する。
あーもーうるせーと思いながらその辺のソファに座らせた。
「おい水飲め、水」
水を手渡すとリンはぐすぐすと泣きながら水を一気飲みした。これは酒じゃねえ。
「ヤミさん・・・ウィリアムさんに会いたいです・・・」
「『金色の夜明け』に言ってそれいえ。オレの部屋で言うな」
「うああああああああああん『灰色の幻鹿』に戻りたいいいいいいいい」
勝手にオレのベッドで寝転がるな。そして暴れるなうるせえから。
そう言ってリンを自分の部屋に強制的に返すためその細い腕をつかんだ。
ぎゃーぎゃーと叫びながらオレの掴む手を噛み付いてくる姿はまるで小さい獣だ。
「あ」
この酔っ払いクソ聖女が無理やり引っ張ったはずみで体勢を崩したオレは、ベッドに片膝をついた。
「「・・・・・・・」」
覆いかぶさるようにしてリンを見下ろす体勢に、お互い沈黙が続いた。
たぶんオレはずっと『灰色の幻鹿』にいた頃からこいつのことが好きだった。
あの金ピカ仮面団長の前でリンが『黒の暴牛』を選んだとき、それはそれは優越感でしかなかった。
そして、氷のように表情が冷たかったあいつが、『黒の暴牛』の奴らと関わることで『灰色の幻鹿』にいた頃のようにだんだんと表情を取り戻してきて、改めてこいつの魅力に気付いた。
だが、あいつとの任務に言ってる時のリンの嬉しそうな顔は『黒の暴牛』の時の顔とまた違って、だんだんとこいつの幸せを願うようになってきた。
あの新聞記事にクソほどムカついたが・・・まあこいつの幸せの為なら、別に諦めていいと思った。
目が充血し腫れてきたこいつの顔を見て、大方あの金ピカ仮面団長のことを思って泣いてんだろうとあいつを殴り飛ばしたい気持ちも芽生えたが
とりあえずこいつをどうにかしないと・・・とぐるぐると考える。
「あいつやめてオレにしろなんて臭いこと言わねえぞ」
「そんなキャラじゃないってわかってますよ・・・ぐす・・・ヤミさん私のこと女だと思ってないだろうし・・・」
「お前マジで言ってんのか・・・」
こいつの鈍感さには呆れを通り越して笑いが漏れてくる。まあいい、こいつを部屋に戻そう。
多少大人しくなったこいつを米俵を担ぐ体勢で抱っこして廊下を歩く。
「・・・・ヤミさんを好きになってたら、幸せになってたんですかねえ・・・・」
そうぽつりと呟いて、オレの返事を待つことなくいびきをかいて寝始めた。
意外にも整頓されたこいつの部屋のベッドに放り投げ、オレは自分の部屋に戻る。
「人の気も知らねえで・・・」
昔からあの金ピカ仮面団長はユリウスの旦那とオレには何か隠しているような節があった。
おそらくその何かをリンには打ち明けているんだろう。
それが原因で泣いているとすれば、オレが聞いても答えてはくれない。
金ピカ仮面団長への表しようのない怒りと自分の不甲斐なさのせいで部屋の壁に穴が開いてたことに気付くのは数日してからだった。
リンを起こした後、廊下で悶々と昨日の夜を思い出す。
あの新聞記事でクソほどムカついていたオレはあいつからの『碧の野薔薇』のパーティーの誘いを一蹴した。
その腹いせにかしらねえが酔っ払いのリンがオレの部屋の扉を蹴破って泣きわめいていた。
「お前マジでいい加減にしろ・・・」
「ぐえええええヤミさあああああああああああん」
何もオレの言葉は届くことなくわんわん泣きわめく『伝説の聖女』サマ。
普段こんな酔い方しねーのに粗方ツンツン女王様が無理やり飲ませたんだろうと推測する。
あーもーうるせーと思いながらその辺のソファに座らせた。
「おい水飲め、水」
水を手渡すとリンはぐすぐすと泣きながら水を一気飲みした。これは酒じゃねえ。
「ヤミさん・・・ウィリアムさんに会いたいです・・・」
「『金色の夜明け』に言ってそれいえ。オレの部屋で言うな」
「うああああああああああん『灰色の幻鹿』に戻りたいいいいいいいい」
勝手にオレのベッドで寝転がるな。そして暴れるなうるせえから。
そう言ってリンを自分の部屋に強制的に返すためその細い腕をつかんだ。
ぎゃーぎゃーと叫びながらオレの掴む手を噛み付いてくる姿はまるで小さい獣だ。
「あ」
この酔っ払いクソ聖女が無理やり引っ張ったはずみで体勢を崩したオレは、ベッドに片膝をついた。
「「・・・・・・・」」
覆いかぶさるようにしてリンを見下ろす体勢に、お互い沈黙が続いた。
たぶんオレはずっと『灰色の幻鹿』にいた頃からこいつのことが好きだった。
あの金ピカ仮面団長の前でリンが『黒の暴牛』を選んだとき、それはそれは優越感でしかなかった。
そして、氷のように表情が冷たかったあいつが、『黒の暴牛』の奴らと関わることで『灰色の幻鹿』にいた頃のようにだんだんと表情を取り戻してきて、改めてこいつの魅力に気付いた。
だが、あいつとの任務に言ってる時のリンの嬉しそうな顔は『黒の暴牛』の時の顔とまた違って、だんだんとこいつの幸せを願うようになってきた。
あの新聞記事にクソほどムカついたが・・・まあこいつの幸せの為なら、別に諦めていいと思った。
目が充血し腫れてきたこいつの顔を見て、大方あの金ピカ仮面団長のことを思って泣いてんだろうとあいつを殴り飛ばしたい気持ちも芽生えたが
とりあえずこいつをどうにかしないと・・・とぐるぐると考える。
「あいつやめてオレにしろなんて臭いこと言わねえぞ」
「そんなキャラじゃないってわかってますよ・・・ぐす・・・ヤミさん私のこと女だと思ってないだろうし・・・」
「お前マジで言ってんのか・・・」
こいつの鈍感さには呆れを通り越して笑いが漏れてくる。まあいい、こいつを部屋に戻そう。
多少大人しくなったこいつを米俵を担ぐ体勢で抱っこして廊下を歩く。
「・・・・ヤミさんを好きになってたら、幸せになってたんですかねえ・・・・」
そうぽつりと呟いて、オレの返事を待つことなくいびきをかいて寝始めた。
意外にも整頓されたこいつの部屋のベッドに放り投げ、オレは自分の部屋に戻る。
「人の気も知らねえで・・・」
昔からあの金ピカ仮面団長はユリウスの旦那とオレには何か隠しているような節があった。
おそらくその何かをリンには打ち明けているんだろう。
それが原因で泣いているとすれば、オレが聞いても答えてはくれない。
金ピカ仮面団長への表しようのない怒りと自分の不甲斐なさのせいで部屋の壁に穴が開いてたことに気付くのは数日してからだった。