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新聞記事のことが話題に上がってからかやはり『金色の夜明け』に行くと後ろ指を刺されさっさとここから出たい気持ちに駆られた。
そんな中、ユノ君たちと歩くミモザを見つけ、声をかける。
「ミモザ、この前のドレス。ありがとう。お礼に王族のあなたの口に合うかはわからないけれど、この前任務で行ったところのお茶菓子よかったら食べて」
「リン様!そんなお気を使わなくてもよろしかったのに・・・!
前々から尊敬していましたが王都襲撃の件でさらに回復魔導士のあなたに私尊敬いたしましたわ・・・!
どうかこのドレスはお近づきのしるしにもらってくださいな・・・!」
「そんな、高級ドレスを貰うなんてできないわ」
「いいんですの!!それに本当にお似合いでしたから・・・あと、失礼かもしれませんがヴァンジャンス団長のあの新聞記事って――――」
その言葉にユノ君も聞き耳を立てていることがわかった。
私はこほんと咳払いをして、「ヴァンジャンス団長とは何もないわ。仕事の関係よ」と毅然とした態度でミモザに言う。
下民の聖女が王貴族御用達の『金色の夜明け』の団長に色目を使っているなど思われたくないのだ――――大人の事情だ分かってくれとミモザを見つめた。
「そうでしたか・・・」とミモザは声を落とした。
だが、強い眼光でミモザが「ですが、私はリン様以外の女性は釣り合わないと思いますわ!!私、全力で応援いたします!」と私の両手を握りしめていった。
ちらっと私はユノ君を見て助け舟を求めたが、彼はわざと視線をそらした。こいつ・・・と白い目で彼を見る。
「あ・・・ありがとう、ミモザ。じゃあそういうことだから、またね」とお茶菓子を押し付けるように渡して『金色の夜明け』本部から立ち去った。
そういえば、あのランギルス副団長はどうなってしまったのだろうか・・・またワインをかけられても嫌なので深く首を突っ込まないようにしよう。
王貴界を散歩していると、「あ、リン様!」とソルが声をかけてきた。後ろからシャーロットがついてくる。
「こんにちは、今日は二人ともオフなの?」と聞くと、「今日は王都の警備だ」といつもの調子でシャーロットが答える。要するにオフなんじゃん。
「リン様こそわざわざ王都までどうしたのー?」と痛いところをついてくる。
『金色の夜明け』に行っていたなんて言えばシャーロットがまたからかい始めるというのに。
「ちょっと買い物に」と歯切れの悪い答えを言うと、シャーロットが「ソル、お前も見ただろう。あの記事を」とふっと笑いながら言った。こいつ・・・・・
「ああ~!『金色の夜明け』に行ってたんすね!ヴァンジャンス団長に会いに!!!」と、悪気のないソルは笑顔で言った。
シャーロット・・・余計なことを言わないで本当に。と睨むが、今まで散々ヤミさんのことでからかってきた仕返しなのだろう、彼女は涼しい顔で視線をかわされた。
「とにかく、二人とも今日は王都の警備なんでしょう?私なんかを相手にしていていいの?」
そう逃げようとすると、シャーロットが「もう粗方警備は終えた」とか都合のいいことを言いだした。
「じゃあリン様も今日オフなら、これからパーティーにしますか!?姐さん!」
「そうだな、ソル。先に戻って団員に伝えろ。そして団長と呼べ」
「了解しました!姐さん!」
シャーロットの言葉をちゃんと聞いているのかいないのか、ソルは『碧の野薔薇』に走っていった。
二人になったところで、「・・・ヤミさんも誘おうか?」と聞くと、シャーロットは先ほどの涼しい表情を一転させて顔を真っ赤にさせた。
「な、急に何を言うんだリンは!!!!パーティーに男など必要ないだろう!!!しかもなぜヤミを・・・!!」とあたふたしはじめる。
光の精霊で『黒の暴牛』に伝言を送ろうとすると光に負けぬ速さでシャーロットは精霊の動きを止めた。
「ちょっと光の精霊止めた人初めて見たんですけど・・・」
「おまっ!お前は―――――なんてことをしようとしてくれるんだ・・・!ヤミを呼ぼうったってそうはいかないぞ――――」
「いいじゃない私の団長なんだから―――それとも、ヤミさんと何かあるの?」と意地悪い質問をするとシャーロットは言い返せなくなる。
『碧の野薔薇』団長のシャーロットと同じ団長クラスの私は王貴界でもそれなりに目立つ存在だったので、道行く人達は私たちの言葉に聞き耳を立てていた。
それもあってかシャーロットは体裁を整えようと「まあ・・・お前がそこまでいうなら誘ってやらんこともない――――『黒の暴牛』の団長だからな――――」と咳ばらいをした。
よし、そういうことならと光の精霊を飛ばしたが一瞬で返信が返ってきて「めんどくせえから行かねえ」ときた。(光の精霊の伝言は私と送信先の相手にしか聞こえない)
シャーロットが隣でひそひそと私に「どうなったのだ!?ヤミはなんて言ってるのだ!?」と落ち着かない様子で聞いてくるのがかわいかったので、しばらくはその様子を楽しむことにした。