06
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日――――
魔法帝は王都襲撃を反クローバー王国のテロリストによるものと断定し、今後も断固たる意志で戦っていくと表明した。
魔法帝は王権派に被害の責任を追及されたがそれでも民衆の支持は大きく、魔法騎士団への活躍の期待が高まった。
敵侵入の原因は王都の魔法障壁を張る一部魔導士たちの失踪にあった。
敵に消されたか・・・もしくは寝返ったか――――
この事実は公にはされなかったが、魔法帝は確信せざるを得なかった・・・“王都の魔導士に裏切り者がいる”・・・と・・・。
『黒の暴牛』本部に戻って思うのはフィンラルの空間魔法がいかに大事かということだ。
王貴界から外れたこの場所は、光の精霊を使っても時間と労力を要した。
「ただいま~なんか『黒の暴牛』に帰って来たの久しぶりな気がする~」
「おっかえりなさあああああいリンさんんんんん」
「おかえり~」とマグナとラックをはじめ団員たちが次々と声をかけてくれる。
ヤミさんがちらっと私を見て「王都襲撃の件はご苦労だった」とぼそっと言った。
そして、鋭い眼光でヤミさんは「で、この記事はどういう了見だ――――――」と私に新聞記事を見せた。
ヴァンジャンス団長とともに映る私の姿。あ、そういえばミモザに返さないと、と自分の部屋に魔法で送った黒いドレスの存在を思い出す。
「おまけに聞きゃあ戦功叙勲式で、あの金ピカ仮面団長は不在だったらしいじゃねえか。なめてやがんのかあいつは」
「いやそれは知りませんよ、それまで私もシャーロット団長と任務だったし・・・」
何年も一緒にいるからわかるこのとても機嫌が悪いヤミさん。
めんどくさくならないうちに早く部屋に戻ろうと思いタイミングを見図っているとちょうどアスタ君が戻って来た。
そして話題は魔法騎士団員階級の昇格の話に変わった。
「オレ、王都のいざこざでの活躍が認められて、臨時の戦功叙勲式で三等下級魔法騎士になりました」
それに感嘆する一同。さらにチャーミーが一等下級魔法騎士になったことを受け、ほとんどのものが五等下級魔法騎士のままだったのでその武功に団員たちはさらに驚いた。
そもそもこのメンバーは五等の実力じゃないんだけど・・・。
その様子を見守っていると、いつの間にかフィンラル達はアスタとラックを連れて合コンに駆り出され(フィンラル以外の二人は合コンがどういうものか理解しているのか心配だが)
バネッサやチャーミーもいつの間にかいなくなり、ほかの団員たちも散り散りになって部屋に戻っていった。
そして私とヤミさんだけが残り、また先ほどの何とも言えない重たい空気が続く。
「おい」
「え、何ですかヤミさん」
「便所」
「私フィンラルじゃないんですけど」
そう言うとヤミさんは舌打ちをしてエントランスホールからさっさと出ていく。
私そんな不機嫌にさせるようなことしたっけと思ったが考えても答えは出てこなかったので、
まあ気にせずミモザに服返しに行くかと『金色の夜明け』本部に向かった。