06
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峠が過ぎて容体は安定してきたが、意識の回復がいつになるかは自分でもわからなかった。
ずいぶんと時間がかかった気もするが、外の様子も気になるので回復魔法を解く。
光の翼が消え、現実世界で見えた先にいたのは、ユリウス様をはじめシルヴァ家の兄弟やシャーロット等戦功叙勲式にいたメンバーだった。
「やあ、リン。君から回復魔導士の指揮権の委譲を持ち掛けられたときはびっくりしたけれど君に任せて正解だったよ。
ところで――――フエゴレオンの様子はどうだい。」
「なんとか一命は取り留めました。しかし、いつ意識が戻るかは私も判断できません――――」
「―――そうか・・・フエゴレオンほどの者がいつ目覚めるともわからない状態とは―――これは私の誤算だった」
「私の力が及ばず申し訳ございません、ユリウス様」
「いや、君はよくやってくれたよ。リン。」
「魔法帝、確認したところ・・・フエゴレオンが身に着けていたペンダントが無くなっていたそうです・・・それが奴らの狙いだったのでしょうか・・・?
奴らはいったい何者でしょうか・・・?」
シャーロットの問いに答えを言うことができない私自身を嫌悪した。
「・・・ふむ・・・話を聞くに、王国に怨みを持つ者たちのテロリスト集団のようだが・・・そんな単純な話ではないようだ。
いずれにせよ、魔法騎士団に求められることは一つ・・・王国の平和だ。そのためには我々はすべてをかけて戦い続けよう。」
ユリウス様の言葉に一同はテロリストへの闘志を燃やし一致団結した。
ノゼル団長が私の目の前で威圧的なマナを放ちながら立ち止まる。「生きているのだな」そう聞かれ、私は頷いた。
「そうか・・・先に失礼する。」
そう言ってシルヴァ家の兄弟たちはその場をあとにした。
あれは冷たい瞳の中に秘めたテロリストへの闘志だ。皆がその意志を強くしたところで、私は回復魔導士にフエゴレオン団長を医療棟に運ぶよう指示した。
「ユリウス様、これをもって回復魔導士の指揮権はお返しいたしますわ」
「リン、この一連の騒動で確信したんだが、君は人の上に立つ者だったんだね。魔法騎士団に再入団させた私の采配は間違っていたかな」
「いいえ、今の方が楽しくやれてますし・・・期待の新人の成長を目の前で見るのはいいものです」
アスタ君をはじめとする新人達の様子を見て、ユリウス様は「そうか」と言ってほほ笑んだ。