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一方、リンが去っていつもと違い静かな夜となった『黒の暴牛』本部―――
静かな理由は団長であるヤミから発せられる禍々しいマナのせいである。
言葉を発しないヤミから感じ取られる理由として、大方リンのことであろう。
「なに不貞腐れてんすか団長~~」
「あ?んなことねえよ・・・」
「んもう、そんな『金色の夜明け』の殿方に取られたくなかったなら止めればよかったのに~~~」
「うるせえ」
マグナとバネッサの言葉を一蹴し、刀を手入れして気を紛らわすがそこに心がこもってないことは団員たちの眼から見ても明白だった。
「何々、なんだかんだいってリンさんのこと好きだったんじゃないですか~」
「てめえのナンパ脳には理解できねえだろうよバカが」
そう悪態をついて席を立ち、フィンラルに「便所」と言って空間魔法を使わせる。
彼がいなくなったあと、先ほどまで静まっていた団員たちは一斉に話に花を咲かせた。
「秘書秘書って言いながら横に侍らせてるの絶対好きだと思ったんだよな~~~」
マグナがにやにやとヤミがいなくなったことをいいことにしゃべりだす。
その言葉に「え、団長ってリンさんのこと好きだったんっすか!?」とアスタが反応しさらに話は盛り上がったところをバネッサが酒瓶を振り回して制止させた。
「も~~あなたたち、うるさいわよ~~~」
「なになに、バネッサさんジェラシー?」
ラックがずずいとバネッサに近寄る。図星をつかれたバネッサは振り回していた酒瓶を止めついに泣き出した。
「うわーーーーーん!あの子(リン)に勝てる要素何もないじゃないーーーー!」
「まあでも彼女は『金色の夜明け』の団長にしか目がないから」と泣き出すバネッサを団員たちは励まし始める。
その夜は団長たちの話題で持ちきりだった。
次の日――――
「あーーー?なんかうちの聖女様が新聞記事の見出しになってるんですけどォ」
新聞を広げるヤミの後ろでその記事を見る団員たち。
そこには仮面を被ったヴァンジャンスとともに映るリンは誰もが見ても息をのむほど美しかった。
プラチナブロンドの長髪はシニヨンに、瘦せ型で白肌の彼女に生えるスリットの入った黒い上品なドレス。
ヴァンジャンスに手を引かれ、リストランテに入っていく姿はお似合いの二人としか言いようがなかった。
「わあホントだーーー綺麗だねえ」
「リンさんんんんんんん黒いドレスがお似合いですあああああああ」
「でもこれって――――――」
“『金色の夜明け』団長 熱愛発覚――――お相手は『黒の暴牛』所属の『伝説の聖女』―――――!?”という見出しに団員たちは固まる。
これからクローバー王国中にばらまかれるであろう新聞記事にバネッサは「しばらくあの子、外出歩けないわねえ」と頭を抱えため息をついた。
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魔法ドラッグ事件は00(Another06-1)へ。