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「あの、『伝説の聖女』様・・・」
「リンでいいですよ、ミモザ」
「じゃああの・・・リン様。リン様は私と同じ新人のユノくんの同郷ですの?」
「ええ・・・でも、まだユノが年端もいかない頃に、私はすぐこの地に来てしまってね・・・同郷だけれどあまり彼は覚えてないと思うわ」
「そんなことありませんわ!リン様の、ハージ村を救ったお話を教えてくださいましたの!
私も回復魔法を主に使ってるのですが・・・よろしければ、いつかリン様にご教示いただけませんか・・・?」
王族ともあれば、魔力は申し分ないであろう・・・。どこかの暴れん坊の団長が「後継者を育てるのも先駆者の務めだ」なんていうような気もするし・・・。と考えた後、
「もちろんよ」と答えると、彼女はワインを被った私を気にせず抱きしめた。
「ありがとうございます!リン様!!!」
「ミ・・・ミモザ、ごめんね。お酒臭いだろうから・・・洗ってきてもいいかしら」
「は、はい!失礼いたしました!」
そう言ってシャワー室を借りる。『金色の夜明け』という名に相応しく、シャワー室までもが金の装飾で施されていた。
ランギルス副団長から感じた異常なマナ――――・・・ウィリアムさんは「自分のマナに従って『金色の夜明け』の団員を選ぶ」と以前言っていた。
これがウィリアムさんのもう一人の彼の采配でなければいいのだが―――
確証も得られてない状態で探るのは失礼かと思い、考えるのをやめることにした。
シャワー室を出て、借りたタオルが柔らかくていい匂いで、うちの団のぼろ雑巾のようなタオルと比べてしまう。
タオルの隣には、ミモザの私服が置かれていて、さすが王族といった上品でところどころに装飾が散りばめられた黒いドレスが掛けられていた。
「わあ―――――素敵ですわ。リン様!!!
以前、パーティーでいただいたのですが私の雰囲気にはあわず、どちらかというとノエルさんのような方にお似合いかと思い取っておいたのですが―――
リン様に着ていただいて正解でしたわ。」
「リン様はシャーロット団長と雰囲気が似ておりますわね・・・ふふ、とても美しくてお強くて・・・私の憧れですわ」
確かに、このプラチナブロンドの髪色と青い瞳はシャーロット団長とたまに間違えられる。
『碧の野薔薇』の褐色の娘に「姐さん!」と呼ばれたこともあったような気がする。
それにしてもこのドレスは―――太ももまでスリットが入っており、背中は大きく開いている。
上品ではあるのだが、とても大人っぽくはないだろうか――――そう思っている間に、ミモザは、私に腕をまわしてパールのネックレスをつけてくれた。
「え、そんなネックレスまで・・・いいわ、ミモザ」
「いいえ!だめです!これからヴァンジャンス団長とお食事を取られるのでしょう?メイクも直しますから、おかけください!」
そう言われるがままにドレッサーの前に座らせてもらって、ミモザは化粧を施してくれた。
バネッサには「メイクしたら何倍も可愛くなるのになんでしないのリンちゃんは」とぶつぶつ文句言われていたが、ミモザにしてもらうと、なるほど確かにいつもと雰囲気が変わる―――
「って―――これ、ウィリアムさんに見てもらうの私・・・」
「ああああもうお綺麗ですわ!!!リン様!!!今度の王貴族とのパーティーにお呼びしていいかしら・・・!!」
「いやそれはちょっと遠慮するわミモザ・・・」
ランギルス副団長のような輩が沢山いるパーティーに出席はしたくないからね・・・と苦笑する。
自分が自分じゃないような気がして、だんだん気恥ずかしくなってきたところ、コンコンとノックの音が聞こえ、「ヴァンジャンス団長がお待ちです!」と団員の声が外から聞こえた。
「まあ、こんな時間―――さあ、リン様!ファイトです!!」
「ミモザ、ありがとう。この借りは必ず返すわ」
「借りなんていいですから―――団長を射止めてきてください!」と両手でガッツポーズをとるミモザ。
王族なのに全然気取らなくて素直で優しい―――こういう子もいるんだな。そう思いながら、ミモザの部屋をあとにして、団員とともにウィリアムさんの執務室に向かった。