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ウィリアムさんと食事の日当日――――――
自分なりにメイクもちゃんとしてエントランスに出てくると、案の定バネッサがいの一番ににやにやとした顔で声をかけてきた。
「珍しいじゃなぁいリンちゃん。朝からちゃんとメイクしてるなんて~~~」
「リンさん可愛いのら~」
バネッサとチャーミーがにやにやと見てきて、顔が火照るのを感じた私はローブを深くかぶって早々に本部から出ていこうとした。
すると後ろから首の根っこを掴まれる。カエルの鳴き声のような声が出て後ろを睨みつけたが十中八九ヤミさんだった。
「金ピカ仮面団長さんによろしくな」
「それ言いたいだけなのになんで首掴むんですかヤミさん・・・」
殺されるかと思ったわと息があがる。バネッサが「デートならそんな服じゃだめよ~~」と、派手で露出の高い服を持ってきたが丁重にお返しした。
そんなこんなで本部から出ていこうとすると私の目の前をものすごい水流が通り過ぎていった。
気のせいだといいなと思い空を見上げると、もう一人の新人の――ノエルという、ノゼル団長の妹が水流の中心部にいた。
「魔力が暴走しちまってやがるな」と、ヤミさんが冷静に観察する。そしてちらっと私をみて「行くんなら行けば、デート」って言ってきた。
その選択肢はないことを知っていて、わざと言うんだからこの人は性格が悪い。
「なんつー魔力量だ!あれほっといたらやべーぞ」
「魔法で攻撃しちまうと中のアイツがただじゃ済まんな・・・」
マグナとヤミさんが考えこんでいるときに、空から飛んでくるアスタ君を見て、「あの子使えばいいじゃないですか?」と指をさす。
「お、ちょうどいいとこに飛んできたな。ちょっとあれどうにかしてこい」と、ヤミさんは飛んでくるアスタ君を受け止めるやいなや、ノエルちゃんの方にさらに飛ばした。
わけもわからないだろうな・・・と思いながら、見守っていると、アスタ君は状況を理解したのか、魔導書から剣をだしてノエルちゃんの水泡を切り裂いた。
「光防御魔法 女神のゆりかご」
空から落ちてくる二人に私は防御魔法で落下を防いだ。
「二人とも大丈夫!?」
「生きてたあああ!!!あざっすリンさん!」
「よくやった小僧」
何かに怯えるようなノエルちゃん。おそらく魔力をコントロールできないせいで、兄弟からいじめを受けていたのだろう。
それもあって彼女なりに努力して・・・頑張りすぎた結果、こういうことになってしまったんだろうなと思っていると、
「なんちゅー魔力もってんだよ!すっげーな!」と、アスタ君が屈託のない笑顔と尊敬のまなざしでノエルちゃんを見ていた。
「オレ魔力ないから羨ましーぞチクショオオオ!特訓して自在に扱えるようになればオマエ無敵だな!」
「何だ魔力がコントロールできなかっただけかよ。早く言えよ出来損ない王族―――
おれたちは出来損ない集団『黒の暴牛』だぞ。てめーの欠点ごときどーってこたねえんだよバカタレ」
マグナが激励し、アスタ君がノエルちゃんの手を伸ばす。
その手を取るノエルちゃんは、以前のような王族のプライドがすこし柔らかくなって、「・・・よろしくお願いします」とつぶやいた。
「ノエルちゃん、特訓したいときはいつでも呼んで。魔力の回復ならいつでもするから」
「はい・・・ありがとうございます・・・聖女様」
「聖女様じゃなくて、リンさんとかでいいわ。よろしくね、ノエルちゃん」
「はい・・・!リンさん!」
よしよしとノエルちゃんの頭を撫でていると、後ろからバネッサが「リンちゃんなんか忘れてない?」と言ってきた。
それを言われてようやく私はウィリアムさんとの約束を思い出す。約束の時間まであと1分・・・箒で行くつもりだったが背に腹は変えられずフィンラルの名前を叫んだ。