03
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「またくだらない戦いが始まった・・・」
「てめえ逃げんじゃねえぞ。回復魔導士なんだからな」
「私入団試験の回復魔法でだいぶ眠いんですけど・・・」
「ぬるいこと言ってんじゃねえ限界を超えろ」
無茶言うなと思いながら、あくびをかみ殺して団員達とともにバトルの様子を見守る。
マグナの炎魔法 爆殺轟炎魔球がアスタに向かって投げられた。
受け止められなかったら即効回復魔法だな、いやその前に防御魔法張っておこうか?と思案しているうちに、アスタは剣を振りかざし、その魔法を跳ね返した。
自分の魔法を受け止められず直撃したマグナに私は頭を抱えた。
「まさかマグナの方を回復させることになるなんて・・・」
「やるじゃねーかああああ!!!オレの魔法を防ぐどころか跳ね返してくるとはなあ!気に入ったぜチビスタあ!!!」
「けどオレ魔力が少ないどころか全然ないんすよ~」
そう言って引かれると思ったアスタの動揺の眼を見逃さなかった。
でも、『黒の暴牛』の団員たちはそんな冷たい子達じゃないことを私は知っていた。
「ああん?魔力がないだあ~~!?余計かっけーじゃねえか!さてはオマエ・・・漢だな?」
「いいねえ~面白そーじゃんキミ~」
「すごいじゃないの坊や!」と口々に、団員の皆がアスタ君を迎える。
皆いろいろな事情を抱えながら、ヤミさんに救われてこの団にいるんだ。
囲われて笑顔になるアスタ君に、この団に入ってくれてよかったと私も顔が綻んだ。
「―――ほらよ、テメーのだ!アスタ!これでオマエも魔法騎士団『黒の暴牛』の一員だ―――!!」
マグナから渡されたローブに本当に嬉しそうに着る姿を見て、私は数年前のことを思い出した―――
「ヤミ、君はどんな団を作る?」
「どんな団?そうだなあ―――立場や、出自・・・身分など関係なく、はぐれ者や暴れん坊を集めて、居場所を作ってやりたい。
旦那がオレにしてくれたようにな。
名前は・・・そうだな、色んな奴が混ざって、それぞれの色で濁って、全員の色が一つになって―――“黒”
黒色の暴れん坊・・・いや暴れ牛だな!『黒の暴牛』団だ!」
「ヤミさん、言ったとおりの素敵な団作りましたね。『黒の暴牛』を選んで正解でした。」
「あったりまえだ。誰だと思ってやがる」
「ふふ、この団にさらなる神のご加護を――――光魔法 女神の吐息―――」
「うおおおお!なんだこの綺麗な光は!!なんか元気が出てくる!!」
光でできた花吹雪が舞い、マグナとアスタを回復させる。
掴めない花吹雪を団員たちは追いかけたり食べようとしたり―――彼らは子供のように無邪気な笑顔でその様子を見ていた。
隣でヤミさんが、「ふざけんな、日の国は仏教なんだよ」と言って笑う。『黒の暴牛』は確実に彼が入ったことで変わろうとしていた。