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夢小説設定
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『明日、もしお時間があれば―――お食事しませんか―――?』
自分でもこんなことを言う勇気があったなんて驚きだ。あれから時間がたっているのに思い出すと火が吹きそう。
そしてウィリアムさんの顔は見えなかったものの、頷いたところをみて安心したのと、週末への緊張で頭がショートしそうだった。
無意識に顔色が赤くなったり青くなったりしていたらしく、フィンラルが体調でも悪いのかと心配してくれたのだが、自分に余裕がなく「うるさい」と冷たくあしらってしまった。
「ヤミさん・・・リンさんもしかして女の子の日とかですかね・・・」
「あ?単にオマエが日頃うざいだけだろ」
「そんな傷をえぐるようなことを・・・・」
自分達の横を通り過ぎた男の子が、見たことのある顔で私は思わず声をかける。
黒髪の少年―――ユノくんは、私を見て驚いた様子で会釈した。
「ご無沙汰しております。リンさん」
「久しぶり―――といっても、もう10年前になるのよね。よく覚えてましたね、ユノくん」
「あの空襲を守っていただいた魔法は今でも覚えてますよ。あいつは寝てたから見てなかったけれど・・・」
あいつとはアスタくんのことだろう。アスタくんらしいやと思いながらくすっと笑った。
「それよりも、『金色の夜明け』入団おめでとう!きっとヴァンジャンス団長があなたを導いてくれるわ」
「ありがとうございます。僕も魔法帝になるために、全力で頑張ります」
その冷静な性格とは裏腹に強い闘志を秘めた瞳に、この二人は本気なんだと思いさらに応援したくなった。
「うん、私ができることがあれば言ってね。いつでも手を貸すわ」
遠くから金色の夜明けの団員がユノを呼んでいるのが見えて、振り返って去っていく背中を見つめた。