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入団試験も終わり、新人を迎えに各団長と団員が散り散りになる中、ヤミの歩く前をヴァンジャンスが止まった。
「何の用だァ金ピカ仮面団長さんよ」
「リンが目をかけていた二人に――各々が自分の団に入れる・・・。
魔法帝に各々の団長を任命されたとき私とヤミ、どちらがリンの加護を受けるか――あの日を思い出したんだ。何かの運命でも感じるよ」
「運命さんねえ・・・オレ、そいつ嫌いなんだわ」
紫煙を纏った彼は立ち止まることなくヴァンジャンスの横を通り過ぎる。
「うちの聖女さんを本気で愛するのはオマエの勝手だが―――あいつは博愛の
「ご忠告ありがとう、ヤミ。気に留めておくよ」
すれ違いざま、二人の言葉は誰にも聞かれることなく溶けていった。
程なくして、ヤミを探していたリンがフィンラルとともに足早に駆けていく。
「団長、そろそろ新人を迎えに行きますよ―――って、ご無沙汰しております、ウィリアムさん」
「やあ、君が目をかけていたユノという子は貰ったよ。リン。
君も、ヤミが嫌になったらいつでも『金色の夜明け』においで」
「お断りだね変態仮面くん。うちの聖女様はオレの“全く慈悲がなさそうな”一面に惚れたんだってよ」
「ヤミさんも変なところで負けず嫌いなんですから・・・」
やれやれとリンは呆れた声でため息をつく。
遠くからフィンラルと思わしき声がヤミとリンを呼んでいた。
おそらく痺れを切らして新人を迎えにいこうとしているのだろう。
ヤミは舌打ちをして紫煙を燻らせながら「行くぞ」とリンに言った。
リンはヤミの背中を追いかける手前、ウィリアムに何かを耳打ちし、彼は微笑みを浮かべて頷いた。
「ごめんねヤミ―――私はその博愛の僕である彼女が大好きなんだ」
彼女たちの背中を見つめながらその言葉は誰に届くわけでもなく、空気に溶けて行った。