私はずっと独りぼっちだった。




「あの洞窟には近づいてはいけない。サメに食べられてしまうよ」




そう言われ続けて、生まれてからずっと暗い洞窟の闇の中で、ひっそりと暮らす日々だった。



たまに、小さくか弱い魚が私の前に現れた。でも、「守ってもらいたい」「気に入らないあいつを食べてほしい」



そう言って、私を利用するやつばかりだった。利用されたふりをして、私は独りぼっちが嫌だから、そいつらとつるむことにした。
でも、本能に抗えなくて、いつの間にか、食べてしまった。






そんな中、一人の男の子が現れた。じめじめしてて、ノロマで、ぷっくり太ったタコ足の男の子。




はっきり言って、なんて美味しそうだと思った。ふっくらしていて、足が８本もあって。利用して、食ってしまいたいと。




でも、彼は私にとても怯えていたけれど、一緒にいると言ってくれた。





彼は博識で、理論的で、なんでも私に教えてくれた。ジェイドとフロイドという双子のウツボの男の子も連れてきてくれて、仲良くなれた。




私の本能も抑えてくれ、血の匂いを嗅ぐと暴走しやすいことだって突き止めてくれた。





よく３人で追いかけっこをして、大好きなアズールを羽交い締めにするたびに怒られたけど、とても楽しかった。





でも３人は、ナイトレイブンカレッジという魔法学校の生徒になって、私の前から消えた。私はまた、独りぼっちになってしまった。