08 艶麗ミュージアム
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「今、何か瞬足で俺たちのあいだを駆け抜けていった気がするんだけど・・・」
「フロイド、リンを捕らえてきてください」
「は~い」
ジェイドが僕のジェスチャーを受け取り、フロイドにリンの回収の指示を出す。
僕は招いた客にご挨拶をしなければならないので彼女は彼に任せることにした。
「みなさん、ようこそアトランティカ記念博物館へ。
本日は『モストロ・ラウンジ』の研修旅行・・・という名目で貸切営業となっておりますのでゆっくり楽しんでいってください。」
「ふなっ、出たなタコ足アズール・・・と、思ったらオマエも人間の姿のままなのか?」
「ええ。僕のようにタコ足の人魚はこの辺りではとても珍しいので・・・こっそり写真を戻しに来たのに変に印象に残っても嫌ですから。」
そういって尻目に彼女を見ると、ウツボのフロイドに人間の足をした彼女が勝てるわけもなく尾びれで捕まっていた。
捕まってぷっくり頬を膨らませる姿が可愛らしく、思わず頬が緩んでしまう。
「リンちゃんつかま~えた♡そんな走ってどこ行こうとしたの~?よしよし、いい子だから戻ろ?」
と言って、スキンシップが激しいフロイドに些か嫉妬は覚えてしまうが今は仕事なので気にしないふりをした。
そんなこともつゆ知らず、ジェイドは「そんなに気にしなくても、写真に写っているまんまるおデブな人魚が貴方だとは、誰も気づきませんよ。」と僕に言う。
「フン。放っておいてください。じゃあ僕は写真をこっそり元に戻してきますから…みなさんはどうぞ館内をご覧ください。」
「アズールー、俺たちの女王様回収完了~」
「ありがとうございます。まったく、落ち着きのない女王は困りますよ、リン」
そう言って、フロイドに横抱きにされているリンを早々と回収した。フロイドの前では借りてきた猫のようだったリンは、僕のもとに収まる前に自分の力で立つ。
挙動不審の動きで歩き始める彼女の腰に手をまわし、「こちらへ」と言って、写真を戻しがてら二人で行動することにした。