08 艶麗ミュージアム
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もう片方の腕で彼女を自分のもとへと引き寄せる。彼女の腕は僕の背中へ這わせて、視線と視線が絡み合った。
深海の全てを包み込むような双眸は僕を捕えて離さない。いつからこの美しいサファイアの瞳に囚われているのだろう。
「好きです、リン」
そう言って、少し照れ臭くなって視線をそらしてしまった。あれほど、前まで愛しているなど何食わぬ顔で言っていたにもかかわらず。
数秒の間と、くすくすと静かに笑う彼女。「・・・何を笑ってるんですか」と言うと、彼女は「だって」と嬉しそうに微笑んだ。
「私もあなたが大好きだもの。照れた顔のアズールは私だけのものね」
彼女の桜色の薄い唇がふわっと僕に重なった。
初めて、彼女と重なる唇。
こんなに近くにいたはずなのに、こんなにお互いがお互いを思ってたはずなのに、踏み出せなかった行為。
止める者は誰もいなくて、止める権利も誰にもなくて。
もっと彼女の可愛らしい唇を独り占めしたくて、彼女の両頬を優しく包み、飲み込むように彼女の唇に接吻する。
口付けては離れて、見つめあって、今までの時間を慈しむように再びまた瞳を閉じて、ついばむように口付けをして、
大切にしてきた分、ずっと抑えていた感情が溢れ出して、止まらないほど愛おしくて深く深く口の中を侵した。
「ん、、、アズー、ル・・・はげしい」
とろんと長い睫毛が深海の瞳を覆って僕に力なく寄り掛かる。
今まで同じ部屋で過ごして耐えていた自分を賞賛してやりたいし、もうこれからは我慢できる気もしない。
寄り掛かったリンを横抱きにして、猫足のソファに寝かせた。起き上がる暇も設けず僕は彼女に馬乗りになって止まらない欲で接吻を続ける。
美しい額に、鼻筋に、頬に、瞼に、そして唇に。リンのすべてのパーツが愛おしくて、すべてを飲み込んでしまいたい。
彼女の両腕は僕の背中を力なく抱きしめて、その行為がさらに僕を拍車をかけた。
「ふふ、お誘いしているんですか?」と聞くと、蒸気した薄紅の頬で「だって、アズールのキス、優しいの」と照れる彼女が愛おしい。
しかし、もう時間もないようで、扉を開ける音と、外からうるさい声が聞こえてきた。
名残惜しいが彼女から離れて、手を差し伸べる。起き上がった彼女は僕を見ては、照れ臭そうに視線をそらした。
そんな可愛らしい彼女の頭を撫でる。
「先ほどの続きは、あとでゆっくり、僕の部屋でしましょうか」
そういうと、彼女はゆで蛸のように真っ赤に染めあがって、声にならない声をあげては出入り口の方へと走っていってしまった。