08 艶麗ミュージアム
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「あ、アズール先輩、忘れてますよ」
そう言って、彼女は目ざとくもわざと忘れて置いていた僕の昔の写真を渡す。その心理に気付いているのか、彼女は意地の悪い顔で僕を見つめた。
「おやおや、いけませんねえ。リンはいつまで僕をそうやって先輩呼ばわりするんですか」
「気分が変わるまでですかねえ」
「またフロイドみたいなことを言って・・・」
あの双子の影響を受けるとろくなことがないと思いつつ、彼女を見やると忽然とその姿は消えていて、いつの間にか彼女は輝いた瞳を浮かべて、博物館の中を駆け回っていた。
くるくると博物館の展示品を見ながら、年相応の無邪気さで笑う彼女。
「ずっとここに来たかったの。ありがとうアズール!」
まるで陽だまりの中にいるような、彼女の笑顔に何度救われたことだろうか。
先に進んでいく彼女に、思わず僕は、「リン」と引き留める。
振り返る彼女は優しい声色で「どうしたの?」と言って僕に手を差し伸べた。
「あまり離れると、僕の8本の足で縛り付けてしまいますよ」と差し伸べられた手を絡ませる。