05 腹黒クイーン
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部屋から出て廊下を歩いているとジェイドとフロイドが待っていた。
にやにやとしているフロイドを尻目に、ジェイドが口を切った。
「アズール、リンとは一緒に住むことにしたのですか?」
「え~だったらリンの部屋もらっていーいー???」
「最近契約が忙しく寂しい思いをさせていたようですので。また落ち着いたらリンも戻ると思うのでフロイドの部屋にはなりませんよ」
「ちぇ、つまんねえの」
途端に興味を無くした彼は彼は清々しいほどに利己的だがわかりやすくてちょうどいい。
今度はこれから僕がリンの部屋に行かないといつのまにか乗っ取られてしまうと肝に銘じた。
一限目の授業が終わった後、教室でフロイドは「そういえば、リンのユニーク魔法ってなんかなぁ」と突飛なことを聞いてきた。
いつも突飛なことを言ってくるので程よく聞き流すのだが、リンに関することだったので真面目に考えをめぐらせる。
ジェイドは少し考えたが、「たしかに、今まで見たことありませんねえ」と答える。
「でも気になるじゃん?今まで一度も使ってるとこ見たことないし。ディアソムニアの奴らが言う限り海の魔人召喚してたんしょ?ぜってぇーつえーじゃん」
「アズールは見たことないのですか?」
正直、僕も今まで彼女のユニーク魔法を見たことがない。そもそも、あれだけの魔力があるので普通の魔法が強大でユニーク魔法の必要性も疑問であるが。
「見たことないというよりも、僕たちは気づいてないだけかもしれません」
今までを振り返ると彼女は定期的に『おなかすいたぁ~食べたい~』とつぶやく。でも食べ物にありつく前にいつのまにか満足していることが多かったことを思い出す。
「僕も見たことがないのですが。彼女は時々おなかを空かせているでしょう?
あれは食の渇きではなく魔力の渇きだとすれば・・・」
「なるほど。もし、周囲から魔力を奪い取る能力とすれば、それは恐ろしいですね」
「え、魔力なくなったら俺たち死んじゃうじゃん。こわ~・・・」
「あくまで推測ですが今まで彼女から魔力を奪われた感覚はないので証明しようがありません」
「あ、みんないた~~~」と話の渦中にある彼女が教室に入って来た。
2年生の教室に怖がることなく入ってくるのはさすがといったところか。
教室がざわつき、口々に彼女を話題に出す。
「1年生のリン・シェーンブルじゃん。実物でみると可愛いなあ」
「でもマレウスから1点奪い取ったんだろ。おっかねえ」
やはりマジフト大会のことも話題になっており、頭を抱えた。
「だからあれほど目立つなと言ったではありませんか」とたしなめると、
「ちょっとくらいカメラに映りたかったんだもん」と頬を膨らませる。今は可愛いなどと思ってはいけない。
「映ってた映ってた。ちょ~かわいかったよぉ。アズール、小言言うけどリンが映ってるとこちゃんと録画してたもんねえ」
空気を読まずフロイドがリンに爆弾を落とし、見事に台無しになった。
「そんなことよりも、、ハーツラビュルの子達授業にいなかったの。もう珊瑚の海行っちゃったんじゃない?」
そんなことよりもと片付けられたのも少し引っかかったが、リンはしっかり仕事をしていたようで先回りするように促す。
「そうですか。では3人とも頼みましたよ。想定していたよりも早いですが、よろしくお願いいたします。」
二つ返事で双子とリンは足早に教室から出て行った。