03 安眠トランキライザー
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そろそろ日付も変わる時間なので、自分の部屋に戻ろうと残っていたレモングラスのハーブティーを口につけた。
そして先ほど気づかなかったがレモングラスに隠れている僅かな人工的な匂いを察知し眉をひそめた。
気のせいであるといいが瞼が重くなってきた気もする。
「リン、まさかとは思いますけど。これ睡眠薬入れましたか?」
「気づいちゃいました?」
あどけない笑顔に僕はめまいを覚えた。純粋な狂気ではめられ、それに落ちていく僕も大概ではあるが。
「一緒に寝ようといっても、『朝に私の部屋から出るのを誰かに見られると厄介だ』と断ってくると思ったので強行突破しちゃいました」
語尾に☆でもつきそうな軽い口調だがやっていることは半ば犯罪行為だ。
そして、僕の性格を熟知した断り方を推測した点については賞賛を送りたくなる。
一緒に寝て問題を起こさないことに対する不安であることは彼女は気にしていないのだろうが。
せめて、ベッドで寝たいとふらふらと重い瞼をこすりながら、リンの匂いがするベッドに横になる。
だから差し出した寮服やハットを片付けるのがあんなにも早かったのか。あの時点で気づくべきだった。
「おやすみなさい、リン。明日は覚えておきなさい」
「なんのことだか。おやすみなさい、アズール」
隣で満足そうな顔をして腕に抱き着く彼女。
やり方には少々問題はあるが、今日は穏やかな夢が見れそうだ。
03 安眠トランキライザー