動物好きな彼
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テストが終わり、上級生が何やら騒がしい。
ある日の授業終わり、キールがハッフルパフの1年生を呼び止めた。なんのことかと思ったら…。
「え?卒業式?」
そうだった!9月が入学式なんだから、そりゃそうだよねー!うわぁ~忘れてた!
「そう。で、式が終ったら在校生でお祝いするらしくて、手紙書いてって言われた。とりあえず、一人1枚7年生に向けて書いて。悪いんだけど、こっちで勝手に相手は決めといた。あ、花束とかは上級生が用意するから…。」
フムフム、どこの世界もやること一緒なんだなぁ。
にしても手紙かぁ。めんどいなぁ。確かにお世話にはなったけど…。知り合いだといいなぁ。
「カホ。カホは、この人ね。」
キールが近くまで来て、封筒と名前の書かれた紙を渡してきた。
「うん、わかった。いつまで?」
「えっと…3日後までで。おーい!3日後に集めるから、書いといて!」
そこらから、返事が聞こえる。こういう年の子ってまだ素直に言うこと聞くからいいよね。
「わかった。…大変だね。」
「ははは。じゃあ、よろしく。」
「うん。頑張って。」
「ありがとう。」
キールは、そう言って少し笑った。…こういう人前に立つの苦手そうだとは思ったけど、そうなんだな。顔強ばってたし。がんばれー、キール!…私は、見てるだけだけど。
書いてある名前を見ると冬休みにしゃべったことのある女の先輩だった。ラッキー!
ーーーー
夕食を食べ終わって、ニュートの部屋に行った。もちろん手紙は書き上げた。私、えらい!
いつものように、ニュートのベッドに座って話をする。日課になったよね。これ。ちなみにニュートは、先輩へ贈る手紙を書いていた。
「ニュート。大丈夫?」
「う、うん。なんとか。もう少しで書き上がるから、待ってて!」
「りょーかい!ふぁいとぉ~!」
「ありがとう。」
机に向かう姿を見つつ、ベッドに転がる。ニュートの匂いがふわりとかおる。
あ…ニュートの匂いだ。好き!落ち着くわー。掛け布団を抱き締める。あぁ、幸せ。持って帰りたい…。あわよくば一緒に寝たい。
「カホー、お待たせ!終わったよ…って何やってるの?」
掛け布団の匂いをちょうど嗅いでいるときにニュートがやって来た。…タイミング!
「…ニュートの、匂い嗅いでる。」
「…。えと、臭い?」
ニュートがええ~っと言う顔をしてる。引いたか?ニュートは、なんとか言葉を絞り出したようだ。
「いー匂い。好き。」
そう言って、掛け布団を抱き締める。
「え?そ、そう?…んー?自分じゃわからないよ。」
ニュートが隣に寝っ転がり、私の抱き締めている掛け布団を嗅いだ。…まぁ、自分の匂いなんてわからないよね。
「えっとねぇ…。なんか、ぬくい匂いがする。落ち着く。」
「ぬくい?」
「あったかいような感じの匂いがする。」
「匂いにあったかい感じがあるの?」
ニュートがもう一度匂いを嗅ぐ。
「とにかく好きな匂いなの!うまく表現できないけど…。」
「ふーん。」
そう言うと、ニュートが掛け布団を引っ張る。
「どうしたの?」
とりあえず、とられないように腕に力を込める。まだ嗅いでたい!
「…掛け布団ばっかり抱き締めてないで、僕もぎゅってして。」
「え?」
腕の力が緩んだのを見計らって、ニュートは私から掛け布団を取り上げた。
「あぁ、掛け布団が…。」
とられた~。ちょっと残念。
「もう。カホ。」
「う~。」
「ほら、こっち!…こっちの方がもっと匂いするよ?」
そう言って、ニュートが腕を広げる。ニュート、顔赤い。それは流石に、恥ずかしいよ。う~ん?…仕方ないなぁ。ぎゅってするだけ。そうすればいける気がする。
「ん。」
腕を伸ばして、ニュートに抱きつく。肩のところに顔をうずめて匂いを吸い込む。
「はぁ。ニュートの匂い、幸せ。」
そう言いつつ、くんくん匂いを嗅ぎ続ける。
「ちょっと、くすぐったいよ!」
ニュートが身体をよじる。力を込めてニュートに抱きついた。
「我慢して!私から掛け布団取ったんだから。」
「ええ~。」
そう言いつつも、ニュートは私を離さない。すると、急にぎゅっとニュートの腕に力が入った。うっ!苦しい!
「…カホは、甘い匂いがするね。」
「なっ!」
嗅いでたんかい!やめてー!
じたばたもがいてみる。
「もう。動かないで。嗅げない。」
「嗅がなくていい!」
はずい!
さっきよりも力が入って、もがくこともむずかしく、代わりに声を出す。
「いーやー!」
「だーめ!…いい匂い。なんだか、くせになるね。」
耳元でニュートが息を吸い込む音が聞こえる。はわわ!思っていたよりもはずい!
「へ、変態!」
「えー、変態?それを言うならカホもでしょ?お互い様!」
そう言って、また匂いを嗅ぎ始める。
「うー!」
反論できない…。悔しい!
「あ、首もといい匂い。一番好きかも。」
「うっ!?…変態!変態!!」
「はいはい。」
そう言って頭をポンポンとされる。はずい!とうとう耐えられなくなって、ニュートにしがみついた。嗅ぐな!
それからしばらくニュートは匂いを嗅いでいた。やっと解放されたとき、疲れがどっときた。疲れた。…はずか死ぬ。
「ありがとう。カホ。また、嗅がせてね!」
「やだ!」
即答した。
ーーーー
「そういえば、もうすぐ1年経つんだね。」
さっきの疲労が抜けず、二人でベッドに寝っ転がったまま話をする。
「そうだね。」
「いろいろあったねぇ。」
入学式前日にトリップして、ホグワーツに入って、魔法使ったり箒乗ったり…。でも、校長が受け入れてくれたのが一番でかいな。じゃなかったら、野垂れ死んでたわ。あー、良かった。
にしてもよくもまぁ、コミュ障のわりに友達出来たわ。すげぇなぁ、1年前の私。いや、実質11ヶ月くらいだけどさ。…テンション上がってたんかな?
しかも、彼氏ができるとは!相手は、あのニュート・スキャマンダー。映画見たことないから、よく知らんかったけど。ぶっちゃけ…映画より今のニュートの方が好きだなぁ。あれ?もしかしてショタコン?
「…ねぇ、カホ。」
「んー?」
話しかけられ、ニュートの方を向く。すると手を握られた。
「ニュート?」
どうしたの?
「カホ。…僕と友達になってくれて、いつも助けてくれて、ありがとう。」
「え?」
「一緒にいられて、嬉しい。…僕、人とうまく話せないし、どんくさくて、周りから浮いちゃってるけど…カホがいてくれて、毎日楽しいよ。ありがとう。…カホ、大好き。」
顔を真っ赤にしながら、ふにゃっとニュートが笑う。
「なっ!なななな…。」
顔がかぁっとあつくなる。
ニュート、そんな事思ってたの?嬉しい!でも、恥ずかしい!じわりと視界が歪む。でも…私、そんな大層なことしてないよ?人見知りで、臆病で、泣き虫。見放されるのが怖くて、人に合わせてる人間だよ?
「…私、そんな立派な人間じゃないよ?それに、あんまりニュートのこと助けた覚えないし。」
「そうかなぁ?」
「そうだよ。」
「…入学式の時、話しかけてくれて嬉しかったよ。びっくりして話せなくて、ごめんね。それに、僕が泣いたときもずっとそばにいてくれて、話聞いてくれて。すごく嬉しかった!」
「それは…。」
確かにそんな事したな。…でも、泣かせちゃったから、どうにかしようとしてあんなかたちに…。
「カホがどう思ってたかは、わからないけど。僕は、嬉しかったよ。」
「…ありがとう、ニュート。」
そっか。あれで良かったんだ。パニックになって、あんなかたちしかとれなかったけど。
ニュートが私の顔に手を伸ばす。
「ん。」
「ごめんね?いや、だった?こんな話。」
いつの間にか零れていた涙を拭いてくれる。
「…ううん。違うの。嬉しかったの。」
ニュートが喜んでいてくれて。私のやったことは間違いじゃなかったんだってわかって。
「そっか。」
ふわりとニュートが笑う。その笑顔、好きだよ。いつものふにゃっとした笑顔も好きだけど。
「…ごめんね。なんか、ニュートの前でいっぱい泣いてる。」
「…いいよ。だって、カホ。いつもみんなの前で笑ってるから。辛かったら、無理しないで泣いていいからね。…僕、何もできないけど。出来ることがあったら、何でも言って!」
ありがとう。
「ありがとう、ニュート。」
そばに居てくれるだけで十分だよ。
「…無理に何か言わないでいいから。…ただ、そばにいて?お願い。何もしなくていいから。」
「うん。わかった。」
どうせ、我慢しても涙は溢れてくるから、そのまま泣いていた。ニュートは、ずっと私の手を握っていた。
「ニュート。もう、大丈夫。ありがとう。」
涙もひっこんできたし。
「そう?良かった。」
手を離し、ニュートが指で頬を撫でる。
やさしい。…なんか、幸せだなぁ。
「…ニュートがいてくれて、良かった。」
こんな私を好きになってくれて、ありがとう。
ニュートが一瞬目を見張ったが、すぐ顔が緩んで、嬉しそうな顔をした。
「うれしい…。ありがとう、カホ。」
若干涙目だ。…ニュート、涙腺弱いよね。私もなんだけどさ。おんなじだね。ニュートの目元に手を伸ばしそっと撫でる。
「ふふ。…好きだよ、ニュート。大好き。」
本当に大好き。付き合ってくれて、そばにいてくれてありがとう。これからも一緒にいてね。
「…うん。僕も、大好き。」
ニュートが私の腕を抱きしめて、ふにゃっと笑った。それと同時に目から涙が零れた。
ーーーー
お互い涙も止まり、起き上がってベッドに腰かけて話す。
「あ、そういえばね。ママが夏休み、遊びにおいでだって!」
「夏休み?…あっ!」
そうだった!ヒッポグリフ!
「ヒッポグリフ、見においでよ!かっこいいよ!」
ニュートの目がキラキラと輝く。
ふふ。動物のことになるとキラキラするね!
「やったぁ!楽しみだなぁ!」
「それに、泊まったらどうかって。疲れるだろうから。休み中いつ来ても大丈夫だよ!ママも楽しみにしてる。」
「ホント?泊まってもいいの?そしたら、たくさん見れるね!…わかった。聞いてみる!」
「うん!返事はいつでもいいから。休み中でもふくろう便でもらえれば。」
「りょーかい!」
うわー!楽しみだー!!生ヒッポグリフ!
初めて、でっかい動物見るなぁ。あれが動いてるんだよね?あわよくば触れないかなぁ。もふもふしてそう!早く、マクゴナガル先生に聞きに行かなきゃあ!
後日、マクゴナガル先生に許可を貰いに行くとOKがでた。もちろん泊まりで!思わず飛び上がって喜んでしまった。ニュートの家にお世話になるため、マクゴナガル先生が一筆書くらしい。お手数おかけします。
8月の上旬かぁ。待ち遠しいなぁ!さっそくその事をニュートに伝えたら、嬉しかったのか抱きつかれた。おもいっきり抱きしめて返しといた。夏休みも一緒にいられるね!
ある日の授業終わり、キールがハッフルパフの1年生を呼び止めた。なんのことかと思ったら…。
「え?卒業式?」
そうだった!9月が入学式なんだから、そりゃそうだよねー!うわぁ~忘れてた!
「そう。で、式が終ったら在校生でお祝いするらしくて、手紙書いてって言われた。とりあえず、一人1枚7年生に向けて書いて。悪いんだけど、こっちで勝手に相手は決めといた。あ、花束とかは上級生が用意するから…。」
フムフム、どこの世界もやること一緒なんだなぁ。
にしても手紙かぁ。めんどいなぁ。確かにお世話にはなったけど…。知り合いだといいなぁ。
「カホ。カホは、この人ね。」
キールが近くまで来て、封筒と名前の書かれた紙を渡してきた。
「うん、わかった。いつまで?」
「えっと…3日後までで。おーい!3日後に集めるから、書いといて!」
そこらから、返事が聞こえる。こういう年の子ってまだ素直に言うこと聞くからいいよね。
「わかった。…大変だね。」
「ははは。じゃあ、よろしく。」
「うん。頑張って。」
「ありがとう。」
キールは、そう言って少し笑った。…こういう人前に立つの苦手そうだとは思ったけど、そうなんだな。顔強ばってたし。がんばれー、キール!…私は、見てるだけだけど。
書いてある名前を見ると冬休みにしゃべったことのある女の先輩だった。ラッキー!
ーーーー
夕食を食べ終わって、ニュートの部屋に行った。もちろん手紙は書き上げた。私、えらい!
いつものように、ニュートのベッドに座って話をする。日課になったよね。これ。ちなみにニュートは、先輩へ贈る手紙を書いていた。
「ニュート。大丈夫?」
「う、うん。なんとか。もう少しで書き上がるから、待ってて!」
「りょーかい!ふぁいとぉ~!」
「ありがとう。」
机に向かう姿を見つつ、ベッドに転がる。ニュートの匂いがふわりとかおる。
あ…ニュートの匂いだ。好き!落ち着くわー。掛け布団を抱き締める。あぁ、幸せ。持って帰りたい…。あわよくば一緒に寝たい。
「カホー、お待たせ!終わったよ…って何やってるの?」
掛け布団の匂いをちょうど嗅いでいるときにニュートがやって来た。…タイミング!
「…ニュートの、匂い嗅いでる。」
「…。えと、臭い?」
ニュートがええ~っと言う顔をしてる。引いたか?ニュートは、なんとか言葉を絞り出したようだ。
「いー匂い。好き。」
そう言って、掛け布団を抱き締める。
「え?そ、そう?…んー?自分じゃわからないよ。」
ニュートが隣に寝っ転がり、私の抱き締めている掛け布団を嗅いだ。…まぁ、自分の匂いなんてわからないよね。
「えっとねぇ…。なんか、ぬくい匂いがする。落ち着く。」
「ぬくい?」
「あったかいような感じの匂いがする。」
「匂いにあったかい感じがあるの?」
ニュートがもう一度匂いを嗅ぐ。
「とにかく好きな匂いなの!うまく表現できないけど…。」
「ふーん。」
そう言うと、ニュートが掛け布団を引っ張る。
「どうしたの?」
とりあえず、とられないように腕に力を込める。まだ嗅いでたい!
「…掛け布団ばっかり抱き締めてないで、僕もぎゅってして。」
「え?」
腕の力が緩んだのを見計らって、ニュートは私から掛け布団を取り上げた。
「あぁ、掛け布団が…。」
とられた~。ちょっと残念。
「もう。カホ。」
「う~。」
「ほら、こっち!…こっちの方がもっと匂いするよ?」
そう言って、ニュートが腕を広げる。ニュート、顔赤い。それは流石に、恥ずかしいよ。う~ん?…仕方ないなぁ。ぎゅってするだけ。そうすればいける気がする。
「ん。」
腕を伸ばして、ニュートに抱きつく。肩のところに顔をうずめて匂いを吸い込む。
「はぁ。ニュートの匂い、幸せ。」
そう言いつつ、くんくん匂いを嗅ぎ続ける。
「ちょっと、くすぐったいよ!」
ニュートが身体をよじる。力を込めてニュートに抱きついた。
「我慢して!私から掛け布団取ったんだから。」
「ええ~。」
そう言いつつも、ニュートは私を離さない。すると、急にぎゅっとニュートの腕に力が入った。うっ!苦しい!
「…カホは、甘い匂いがするね。」
「なっ!」
嗅いでたんかい!やめてー!
じたばたもがいてみる。
「もう。動かないで。嗅げない。」
「嗅がなくていい!」
はずい!
さっきよりも力が入って、もがくこともむずかしく、代わりに声を出す。
「いーやー!」
「だーめ!…いい匂い。なんだか、くせになるね。」
耳元でニュートが息を吸い込む音が聞こえる。はわわ!思っていたよりもはずい!
「へ、変態!」
「えー、変態?それを言うならカホもでしょ?お互い様!」
そう言って、また匂いを嗅ぎ始める。
「うー!」
反論できない…。悔しい!
「あ、首もといい匂い。一番好きかも。」
「うっ!?…変態!変態!!」
「はいはい。」
そう言って頭をポンポンとされる。はずい!とうとう耐えられなくなって、ニュートにしがみついた。嗅ぐな!
それからしばらくニュートは匂いを嗅いでいた。やっと解放されたとき、疲れがどっときた。疲れた。…はずか死ぬ。
「ありがとう。カホ。また、嗅がせてね!」
「やだ!」
即答した。
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「そういえば、もうすぐ1年経つんだね。」
さっきの疲労が抜けず、二人でベッドに寝っ転がったまま話をする。
「そうだね。」
「いろいろあったねぇ。」
入学式前日にトリップして、ホグワーツに入って、魔法使ったり箒乗ったり…。でも、校長が受け入れてくれたのが一番でかいな。じゃなかったら、野垂れ死んでたわ。あー、良かった。
にしてもよくもまぁ、コミュ障のわりに友達出来たわ。すげぇなぁ、1年前の私。いや、実質11ヶ月くらいだけどさ。…テンション上がってたんかな?
しかも、彼氏ができるとは!相手は、あのニュート・スキャマンダー。映画見たことないから、よく知らんかったけど。ぶっちゃけ…映画より今のニュートの方が好きだなぁ。あれ?もしかしてショタコン?
「…ねぇ、カホ。」
「んー?」
話しかけられ、ニュートの方を向く。すると手を握られた。
「ニュート?」
どうしたの?
「カホ。…僕と友達になってくれて、いつも助けてくれて、ありがとう。」
「え?」
「一緒にいられて、嬉しい。…僕、人とうまく話せないし、どんくさくて、周りから浮いちゃってるけど…カホがいてくれて、毎日楽しいよ。ありがとう。…カホ、大好き。」
顔を真っ赤にしながら、ふにゃっとニュートが笑う。
「なっ!なななな…。」
顔がかぁっとあつくなる。
ニュート、そんな事思ってたの?嬉しい!でも、恥ずかしい!じわりと視界が歪む。でも…私、そんな大層なことしてないよ?人見知りで、臆病で、泣き虫。見放されるのが怖くて、人に合わせてる人間だよ?
「…私、そんな立派な人間じゃないよ?それに、あんまりニュートのこと助けた覚えないし。」
「そうかなぁ?」
「そうだよ。」
「…入学式の時、話しかけてくれて嬉しかったよ。びっくりして話せなくて、ごめんね。それに、僕が泣いたときもずっとそばにいてくれて、話聞いてくれて。すごく嬉しかった!」
「それは…。」
確かにそんな事したな。…でも、泣かせちゃったから、どうにかしようとしてあんなかたちに…。
「カホがどう思ってたかは、わからないけど。僕は、嬉しかったよ。」
「…ありがとう、ニュート。」
そっか。あれで良かったんだ。パニックになって、あんなかたちしかとれなかったけど。
ニュートが私の顔に手を伸ばす。
「ん。」
「ごめんね?いや、だった?こんな話。」
いつの間にか零れていた涙を拭いてくれる。
「…ううん。違うの。嬉しかったの。」
ニュートが喜んでいてくれて。私のやったことは間違いじゃなかったんだってわかって。
「そっか。」
ふわりとニュートが笑う。その笑顔、好きだよ。いつものふにゃっとした笑顔も好きだけど。
「…ごめんね。なんか、ニュートの前でいっぱい泣いてる。」
「…いいよ。だって、カホ。いつもみんなの前で笑ってるから。辛かったら、無理しないで泣いていいからね。…僕、何もできないけど。出来ることがあったら、何でも言って!」
ありがとう。
「ありがとう、ニュート。」
そばに居てくれるだけで十分だよ。
「…無理に何か言わないでいいから。…ただ、そばにいて?お願い。何もしなくていいから。」
「うん。わかった。」
どうせ、我慢しても涙は溢れてくるから、そのまま泣いていた。ニュートは、ずっと私の手を握っていた。
「ニュート。もう、大丈夫。ありがとう。」
涙もひっこんできたし。
「そう?良かった。」
手を離し、ニュートが指で頬を撫でる。
やさしい。…なんか、幸せだなぁ。
「…ニュートがいてくれて、良かった。」
こんな私を好きになってくれて、ありがとう。
ニュートが一瞬目を見張ったが、すぐ顔が緩んで、嬉しそうな顔をした。
「うれしい…。ありがとう、カホ。」
若干涙目だ。…ニュート、涙腺弱いよね。私もなんだけどさ。おんなじだね。ニュートの目元に手を伸ばしそっと撫でる。
「ふふ。…好きだよ、ニュート。大好き。」
本当に大好き。付き合ってくれて、そばにいてくれてありがとう。これからも一緒にいてね。
「…うん。僕も、大好き。」
ニュートが私の腕を抱きしめて、ふにゃっと笑った。それと同時に目から涙が零れた。
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お互い涙も止まり、起き上がってベッドに腰かけて話す。
「あ、そういえばね。ママが夏休み、遊びにおいでだって!」
「夏休み?…あっ!」
そうだった!ヒッポグリフ!
「ヒッポグリフ、見においでよ!かっこいいよ!」
ニュートの目がキラキラと輝く。
ふふ。動物のことになるとキラキラするね!
「やったぁ!楽しみだなぁ!」
「それに、泊まったらどうかって。疲れるだろうから。休み中いつ来ても大丈夫だよ!ママも楽しみにしてる。」
「ホント?泊まってもいいの?そしたら、たくさん見れるね!…わかった。聞いてみる!」
「うん!返事はいつでもいいから。休み中でもふくろう便でもらえれば。」
「りょーかい!」
うわー!楽しみだー!!生ヒッポグリフ!
初めて、でっかい動物見るなぁ。あれが動いてるんだよね?あわよくば触れないかなぁ。もふもふしてそう!早く、マクゴナガル先生に聞きに行かなきゃあ!
後日、マクゴナガル先生に許可を貰いに行くとOKがでた。もちろん泊まりで!思わず飛び上がって喜んでしまった。ニュートの家にお世話になるため、マクゴナガル先生が一筆書くらしい。お手数おかけします。
8月の上旬かぁ。待ち遠しいなぁ!さっそくその事をニュートに伝えたら、嬉しかったのか抱きつかれた。おもいっきり抱きしめて返しといた。夏休みも一緒にいられるね!
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