動物好きな彼
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
パタンと扉が閉まる音で目が覚める。
ん?…また、寝てた。
体を起こして、扉の方を見るとキールがいた。
「あ、キール。」
うう。眠い。今何時だろ?
「起きた?…今22時だよ。明日も授業あるし、戻ったら?スキャマンダー、起きないだろうし。」
ニュートを見ると、気持ち良さそうに寝息をたてていた。…確かに。
「…そうしようかな?ごめん、キール。」
「別に、僕も今来たところだから、迷惑じゃないよ。」
「そっか。…あ。」
ベッドから体を起こそうとしたら、何か引っかかった。見ると、ニュートが服を掴んでいた。放してなかったんだ。
「放しちゃいなよ、それ。いつまでたっても戻れないよ。」
「…そうだね。ごめんね、ニュート。」
私も眠いし、キールも来たから部屋に戻るね。そう思って、ニュートの手をはずす。
ちょっと、名残惜しい。
頭を一度撫でて、ベッドから立ち上がった。
アリーになんて言おう。
「カホ。」
「なに?」
「レイブンクローの奴から手紙もらったんだって?」
「え?…うん。あれ?何で知ってるの?」
「告白してるの見たやつがいて、聞いた。」
聞かれてたのか。…周りに人は居なかったんだけど、曲がり角とかにいたのかな?
「そっか。もう何人か知ってるの?」
「うちの寮は知ってる。…スキャマンダーも。」
はえぇな。情報が回るのが。ってことはアリーも知ってるな。部屋で質問攻めかなぁ。
「ニュートも?」
「ああ。…聞かなかった?」
「部屋に来たときにはもう寝てた。」
「そっか。…付き合うの?」
「えっ!付き合わないよ。よく知らないし、断ったよ。でも、友達になってくれた。」
答えまでは聞いてないんだな。…めんどくさい。付き合ってることになってたらどうしよう。
「何て言うか…君らしいね。」
キールが呆れたように言った。
またそれ?らしいってどこよ!
「…どーも。」
「…君達付き合わないの?」
扉に向かって歩いていると、突然キールにそう聞かれた。
「は!?」
驚いてキールを見る。ベッドに座っていた。
「君、スキャマンダーのこと好きなんじゃないの?…スキャマンダー、君のことすきだよ?」
「…。」
「あんまり一緒にいないけど、一緒にいるところ見ると恋人同士みたいだよ、君達。」
それは、くっついていることが多いから?
「…付き合わないよ。私の好きとニュートの好きは…種類が違うんだよ。」
ニュートの好きは友達としての好きだから。
「ふーん。カホはスキャマンダーのこと友達として好きなの?」
「…わからないよ。」
異性として好きなのかも知れないけど、認められない。
「そう。…スキャマンダーは君が告白されたって聞いて、焦ってたよ。泣きそうな顔して。少なくとも、スキャマンダーは君のこと女の子として見てるよ。授業中とか、移動の時とかよく君のこと目で追ってる。」
そんなの知らない。
「…キールは、私とニュートが付き合った方がいいと思うの?」
キールは驚いた顔をした。
「…別に。見てて、焦れったいだけだよ。」
「…そう。…おやすみ。」
そう言って部屋を出た。
焦れったい?そんな風に見えてるの?
ーーーー
<キール視点>
足音が遠ざかって行くの確認して、声をかける。
「そろそろ起きたら?」
向かい側のベッドにいるスキャマンダーがもぞもぞ動き出した。
「気づいてたの?」
僕はため息をついて答える。
「分かりやすすぎ。よくバレなかったな。…何で起きなかったんだよ?聞けば良かっただろ?」
スキャマンダーが悲しそうな顔をした。カホが告白されてたって伝えたときと同じ顔をしてる。
「だって、怖くて…。」
びびり。気になってるなら、聞けばいいじゃん。まぁ、付き合ってたら地獄だよな。そんな事、聞きたくない。
「びびり。…良かったな。付き合ってなくて。」
「うん。」
少しほっとしたような顔をしてる。
僕、何でこいつのことフォローしてんだろ?
偶然、同じ部屋になった。最初の方はほとんど話さなかったけど、カホと関わってからだんだん話すようになった。…カホは何でこいつと一緒にいるんだろう?まぁ、悪いやつじゃないのはわかるんだけどさ。正直カホと仲がいいのにはビックリした。付き合ってるのかと思うくらいに。
「スキャマンダー。」
「なに?」
「君、カホと付き合いたいの?」
「へっ!?」
「だって君、カホのこと好きなんでしょ?」
そう聞くと、真っ赤になってしまった。女子かよ。カホを好きなの分かりやすすぎ。
「よく見たら分かりやすすぎ。」
「う…。」
挙動不審なことが多くて、友達とか少ないみたいだけど、よくよく観察すると分かりやすい。
「カホのこと、すき。笑った顔、かわいい。…でも、付き合いたいのか、わからない。」
はぁ?
「…でも、カホと一緒にいたい。」
こいつ、付き合うってことがわからないのかな?
「付き合ったら、ずっと一緒にいられるんじゃないの?」
結婚とかしてさ。ずっと、一緒に。
「え?ほんとに?」
スキャマンダーが身を乗り出して聞いてくる。
「そうなんじゃないの?」
「そっかぁ。…じゃあ、どうしたら付き合えるの?」
ガクッ。君、話聞いてた?
「レイブンクローのやつみたいに、告白すればいいんだよ。付き合ってくださいって。」
「そうしたら、カホは僕と付き合ってくれる?」
そんなの知らないよ。そんなこと、僕が聞きたい。
「それは、カホ次第なんじゃない?」
「…。」
そう言うとスキャマンダーは考えこんでしまった。
多分カホも、スキャマンダーのことを異性として好きなんだと思う。案外カホは、分かりやすい。なんで認めないかはわからないけど。もしかして…気づいてないとか?あり得る。鈍感そうだもんな。
てゆーか僕、何でこいつの恋愛相談のってるんだ?…僕だって、カホのこと好きなのに…。
それなのに、二人して鈍感で、見ているこっちが焦れったくなって仕方がないから、話を聞いている。
「早くしないと、カホ、誰かと付き合っちゃうかもよ。」
「えっ!?」
そう、意地悪を言ってスキャマンダーを見た。ちょっと…そんな絶望そうな顔しないでよ。
「今日カホ、レイブンクローのやつに告白されてたでしょ?…カホかわいいから、他にも増えるかもよ。」
最初は、日本人なんて珍しいと思って見てた。けど、よく見るとかわいい顔してる。まぁ、日本人のかわいい基準なんてよくわからないから実際のところは知らない。飛行術の授業や時々話すと可愛く見えてきて、不思議と目で追うようになった。
「…キールもカホのこと、かわいいと思うの?」
ドキッとした。…好きなの?と言われなくてほっとした。
「…そうだね。かわいいと思うよ。」
好きな贔屓目かも知れないけど、カホはかわいい。…付き合いたいと思うくらいには。
こいつには、言ってやらないけど。
「そっか…。」
そう言ったきりスキャマンダーはなにも話さなかった。
カホは君といる時、尚更かわいい顔をしている。アリー達友人や先輩達の前とは違う表情をしてる。なんかわからないけど、ちょっと違う。やさしくて、嬉しそうで、幸せそうな顔。本当に君が羨ましいよ。
あのときのだって、はじめて泣いているカホを見た。どうしてあんな状況になってたのかは、わからないけど。…ただ、泣いているカホを抱きしめているのが、何で僕じゃないんだと思ったことは覚えてる。…泣いている君は見たくない。きっと、君は泣いているところも泣いたということも知ってほしくないだろうから、僕はその日友達の部屋に泊まった。
朝あったとき、目は腫れていたけれど君が笑っていてくれて良かった。それと同時に悔しかった。スキャマンダーがなんとかしたんだろうけど。僕だって、泣いている君を慰めたかった。笑わせたかった。でも、できない。…僕はスキャマンダー以上にカホのことをよく知らない。だから、きっとあのとき、君はスキャマンダーの前だから泣いたんだろうね。僕の前だったら泣かなかった。
きっと今、僕が告白したところで付き合ってはくれないんだろうな。そんな気がして、今日手紙を贈らなかった。
さっきカホに、スキャマンダーと付き合った方がいいの?と聞かれた。その時…付き合ってほしくないと言いたかった。そんなの嫌に決まってる。僕だって、付き合いたいのに。でも、君が幸せになるならそれでもいいと思う。悔しいけどね。
だから。せいぜい悩みなよ、スキャマンダー。ここまでアドバイスしたんだから。
ん?…また、寝てた。
体を起こして、扉の方を見るとキールがいた。
「あ、キール。」
うう。眠い。今何時だろ?
「起きた?…今22時だよ。明日も授業あるし、戻ったら?スキャマンダー、起きないだろうし。」
ニュートを見ると、気持ち良さそうに寝息をたてていた。…確かに。
「…そうしようかな?ごめん、キール。」
「別に、僕も今来たところだから、迷惑じゃないよ。」
「そっか。…あ。」
ベッドから体を起こそうとしたら、何か引っかかった。見ると、ニュートが服を掴んでいた。放してなかったんだ。
「放しちゃいなよ、それ。いつまでたっても戻れないよ。」
「…そうだね。ごめんね、ニュート。」
私も眠いし、キールも来たから部屋に戻るね。そう思って、ニュートの手をはずす。
ちょっと、名残惜しい。
頭を一度撫でて、ベッドから立ち上がった。
アリーになんて言おう。
「カホ。」
「なに?」
「レイブンクローの奴から手紙もらったんだって?」
「え?…うん。あれ?何で知ってるの?」
「告白してるの見たやつがいて、聞いた。」
聞かれてたのか。…周りに人は居なかったんだけど、曲がり角とかにいたのかな?
「そっか。もう何人か知ってるの?」
「うちの寮は知ってる。…スキャマンダーも。」
はえぇな。情報が回るのが。ってことはアリーも知ってるな。部屋で質問攻めかなぁ。
「ニュートも?」
「ああ。…聞かなかった?」
「部屋に来たときにはもう寝てた。」
「そっか。…付き合うの?」
「えっ!付き合わないよ。よく知らないし、断ったよ。でも、友達になってくれた。」
答えまでは聞いてないんだな。…めんどくさい。付き合ってることになってたらどうしよう。
「何て言うか…君らしいね。」
キールが呆れたように言った。
またそれ?らしいってどこよ!
「…どーも。」
「…君達付き合わないの?」
扉に向かって歩いていると、突然キールにそう聞かれた。
「は!?」
驚いてキールを見る。ベッドに座っていた。
「君、スキャマンダーのこと好きなんじゃないの?…スキャマンダー、君のことすきだよ?」
「…。」
「あんまり一緒にいないけど、一緒にいるところ見ると恋人同士みたいだよ、君達。」
それは、くっついていることが多いから?
「…付き合わないよ。私の好きとニュートの好きは…種類が違うんだよ。」
ニュートの好きは友達としての好きだから。
「ふーん。カホはスキャマンダーのこと友達として好きなの?」
「…わからないよ。」
異性として好きなのかも知れないけど、認められない。
「そう。…スキャマンダーは君が告白されたって聞いて、焦ってたよ。泣きそうな顔して。少なくとも、スキャマンダーは君のこと女の子として見てるよ。授業中とか、移動の時とかよく君のこと目で追ってる。」
そんなの知らない。
「…キールは、私とニュートが付き合った方がいいと思うの?」
キールは驚いた顔をした。
「…別に。見てて、焦れったいだけだよ。」
「…そう。…おやすみ。」
そう言って部屋を出た。
焦れったい?そんな風に見えてるの?
ーーーー
<キール視点>
足音が遠ざかって行くの確認して、声をかける。
「そろそろ起きたら?」
向かい側のベッドにいるスキャマンダーがもぞもぞ動き出した。
「気づいてたの?」
僕はため息をついて答える。
「分かりやすすぎ。よくバレなかったな。…何で起きなかったんだよ?聞けば良かっただろ?」
スキャマンダーが悲しそうな顔をした。カホが告白されてたって伝えたときと同じ顔をしてる。
「だって、怖くて…。」
びびり。気になってるなら、聞けばいいじゃん。まぁ、付き合ってたら地獄だよな。そんな事、聞きたくない。
「びびり。…良かったな。付き合ってなくて。」
「うん。」
少しほっとしたような顔をしてる。
僕、何でこいつのことフォローしてんだろ?
偶然、同じ部屋になった。最初の方はほとんど話さなかったけど、カホと関わってからだんだん話すようになった。…カホは何でこいつと一緒にいるんだろう?まぁ、悪いやつじゃないのはわかるんだけどさ。正直カホと仲がいいのにはビックリした。付き合ってるのかと思うくらいに。
「スキャマンダー。」
「なに?」
「君、カホと付き合いたいの?」
「へっ!?」
「だって君、カホのこと好きなんでしょ?」
そう聞くと、真っ赤になってしまった。女子かよ。カホを好きなの分かりやすすぎ。
「よく見たら分かりやすすぎ。」
「う…。」
挙動不審なことが多くて、友達とか少ないみたいだけど、よくよく観察すると分かりやすい。
「カホのこと、すき。笑った顔、かわいい。…でも、付き合いたいのか、わからない。」
はぁ?
「…でも、カホと一緒にいたい。」
こいつ、付き合うってことがわからないのかな?
「付き合ったら、ずっと一緒にいられるんじゃないの?」
結婚とかしてさ。ずっと、一緒に。
「え?ほんとに?」
スキャマンダーが身を乗り出して聞いてくる。
「そうなんじゃないの?」
「そっかぁ。…じゃあ、どうしたら付き合えるの?」
ガクッ。君、話聞いてた?
「レイブンクローのやつみたいに、告白すればいいんだよ。付き合ってくださいって。」
「そうしたら、カホは僕と付き合ってくれる?」
そんなの知らないよ。そんなこと、僕が聞きたい。
「それは、カホ次第なんじゃない?」
「…。」
そう言うとスキャマンダーは考えこんでしまった。
多分カホも、スキャマンダーのことを異性として好きなんだと思う。案外カホは、分かりやすい。なんで認めないかはわからないけど。もしかして…気づいてないとか?あり得る。鈍感そうだもんな。
てゆーか僕、何でこいつの恋愛相談のってるんだ?…僕だって、カホのこと好きなのに…。
それなのに、二人して鈍感で、見ているこっちが焦れったくなって仕方がないから、話を聞いている。
「早くしないと、カホ、誰かと付き合っちゃうかもよ。」
「えっ!?」
そう、意地悪を言ってスキャマンダーを見た。ちょっと…そんな絶望そうな顔しないでよ。
「今日カホ、レイブンクローのやつに告白されてたでしょ?…カホかわいいから、他にも増えるかもよ。」
最初は、日本人なんて珍しいと思って見てた。けど、よく見るとかわいい顔してる。まぁ、日本人のかわいい基準なんてよくわからないから実際のところは知らない。飛行術の授業や時々話すと可愛く見えてきて、不思議と目で追うようになった。
「…キールもカホのこと、かわいいと思うの?」
ドキッとした。…好きなの?と言われなくてほっとした。
「…そうだね。かわいいと思うよ。」
好きな贔屓目かも知れないけど、カホはかわいい。…付き合いたいと思うくらいには。
こいつには、言ってやらないけど。
「そっか…。」
そう言ったきりスキャマンダーはなにも話さなかった。
カホは君といる時、尚更かわいい顔をしている。アリー達友人や先輩達の前とは違う表情をしてる。なんかわからないけど、ちょっと違う。やさしくて、嬉しそうで、幸せそうな顔。本当に君が羨ましいよ。
あのときのだって、はじめて泣いているカホを見た。どうしてあんな状況になってたのかは、わからないけど。…ただ、泣いているカホを抱きしめているのが、何で僕じゃないんだと思ったことは覚えてる。…泣いている君は見たくない。きっと、君は泣いているところも泣いたということも知ってほしくないだろうから、僕はその日友達の部屋に泊まった。
朝あったとき、目は腫れていたけれど君が笑っていてくれて良かった。それと同時に悔しかった。スキャマンダーがなんとかしたんだろうけど。僕だって、泣いている君を慰めたかった。笑わせたかった。でも、できない。…僕はスキャマンダー以上にカホのことをよく知らない。だから、きっとあのとき、君はスキャマンダーの前だから泣いたんだろうね。僕の前だったら泣かなかった。
きっと今、僕が告白したところで付き合ってはくれないんだろうな。そんな気がして、今日手紙を贈らなかった。
さっきカホに、スキャマンダーと付き合った方がいいの?と聞かれた。その時…付き合ってほしくないと言いたかった。そんなの嫌に決まってる。僕だって、付き合いたいのに。でも、君が幸せになるならそれでもいいと思う。悔しいけどね。
だから。せいぜい悩みなよ、スキャマンダー。ここまでアドバイスしたんだから。