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七夕

 毎年うちの本丸では万屋で笹を買ってくる。今年は笹貫や実休、北谷菜切などが買いに行ってくれたらしい。買ってきてもらった笹は大広間に飾り、願い事を書いた短冊を笹の葉に結ぶ。そして、七夕の夜は宴会を開く、と言うのがうちの本丸での毎年の流れである。
 今は宴会用のご飯を燭台切と長谷部、歌仙、肥前とで仕込んでいる。宴会も別に七夕限定であるわけではないし、七夕の夜も何度も過ごしているため宴会用の料理のレパートリーはすでに十分あるし、作るものもあらかた決まっている。しかし、夜光貝の残りも早く消費したいし、新刀剣男士が好きそうなもの、連隊戦で常に戦場に出ずっぱりの琉球刀たちからのリクエストに答えたものを作らねばならない。厨組は今日は昼間から大忙しだ。
 他のみんなの昼食を作り終え、あらかた仕込みも終わり七夕のゼリーを作ってくれていた小豆と謙信を呼び、厨で全員でラムネを飲んでいた。ちなみにどこから知ったのか、歌仙が木桶を持ってきており、それに水と氷をたくさん入れてラムネを冷やしてから飲んだ。私は面倒臭いから冷蔵庫に入れて冷やそうと言ったのだが、彼はどうせ冷やすのなら風流なほうがいいらしい、勝手口のところの床に木桶を置いて冷やしていた。押し切られたな、、
 ラムネを飲んで休憩していると、近侍である陸奥守から呼ばれた。
「主、今日の遠征の記録を書いたがやけんど」 
 そうだった。今日は朝早めに遠征に行ってもらったんだ。
「ありがとう。むっちゃんもラムネ飲んで休憩していく?何本か残ってるよ?」
「嬉しい提案やけんど、わしは先に風呂に入るきラムネはいらん。」
「そっか。了解!」
 そういうと彼はすぐお風呂に入りに行った。私も遠征報告書を部屋に置きにいくため、厨のみんなにお疲れ様、と声をかけて部屋に戻った。部屋に戻る前、肥前が、どうせ部屋に戻ると昼も食べずに報告書を読むんだろうから、とおにぎりと今日の宴会用に唐揚げをお皿に盛って渡してくれた。
 部屋に戻り、一旦報告書を文机に置き昼食を取ることにした。おにぎりはおそらく歌仙が握ったのだろう、なんか風流な味がする。この漬物も歌仙が漬けているやつだな。美味しい。メインは肥前が作った唐揚げだ。これ本当に美味しくて大人気なのだが、なぜか作りたがらない。今日は北谷菜切と千代金丸にリクエストされたらしく、渋々作っていた。それにしてはいつもより少しやる気を出していたけど。
 昼食を食べ終え、遠征終わりの陸奥守が渡してくれた報告書を読む。今日は西上作戦か。新しい景趣交換に必要な天竺牡丹が欲しかったんだけれど、今回は収穫なし。まぁいいか。朝早くから行ってもらったんだ。交換期限もまだ先だし、これから収穫していけばいい。
 遠征報告書は部隊長に簡単にまとめてもらうようにしている。まとめると言ってもテンプレートを作っているためそれに沿ってその日の遠征内容を書くようになっている。この報告書を読んでパソコンに打ち込み毎月政府に他の出陣記録、演練記録と共に送るようになっている。
 今日やらなければならないことの残りは出陣記録をまとめることだ。あと30分もすれば帰ってくるだろう。その前に他の報告書のまとめとか色々済ましておこう。
 報告書をまとめていたら30分なんてあっという間だ。ついでに先ほど連隊戦帰りの千金丸から出陣記録をもらってきた。今日は夜に宴会があるためいつもよりも出陣時間が少なく、それに伴い記録も少ないので17時くらいには終わりそうだ。宴会用のご飯も仕上げは私以外でやってくれるそうなので早めに終わらせてお風呂入ってのんびりしよう。
 
 お風呂も入り終わって、のんびり大広間に行くと、すでに宴会の準備が終わっていてチラホラ集まってきていた。奥の方に夥しい数の酒瓶が置いてあるがあれはきっと日本号初め酒飲みたちのものだろう。宴会は今日も賑やかになりそうだ。
 全員集まったところで乾杯をし、宴会が始まった。私は一旦厨組がいる近くに座りちまちまお酒を飲みつつ、昼に作ったつまみを食べた。
 一つのところに止まっておきたいところだが、短刀たちに呼ばれた。どうやら短冊の願い事を一緒に書いて結びたいらしい。
 大広間に飾ってある短冊は色も形も様々で遠くから見ると色鮮やかでとても綺麗だ。他のみんなが書いた願い事を見ていくと、小さい子と戯れたい、コスメ欲しい!、でびゅうしたい、唐揚げ食べたいや、主人がこの前買った酒が飲みたいなどいろんなことが書かれている。後半は今夜の宴会のリクエストであるが。みんなの短冊を見て自分の願い事を考える。ミュージカル本丸の刀剣男士たちには会えるようになったし、あまり願い事という願いもない気がしてきた。隣にいる五虎退はすでに書いているらしく、虎くんたちの願い事を書いているらしい。
「主様はお願い事、何にするんですか、、?」
「うーーん。何にしようかな。ごこはもう決まったの?」
「は、はい!僕は虎くんたちと海に行けるようにって書きました」
「いいねぇ、海。海も行きたいね。迷っちゃうな」
 海、海かぁ。行きたいな確かに。できればむっちゃんと2人で行きたいが、恋人でもないのに2人で行くのは流石に申し訳ないというかなんというか。あ、でもごこたちと一緒に行けばいいのか、保護者2人って名目で。いや、やっぱやめよう恥ずかしい。酔いが回ってきたな。
 短冊を前にぐるぐると考えていると急に後ろに暖かみを感じた。誰だろう、次郎かな?いやそこまでデカくないな、となると、、
「主、何しゆーがじゃ?」
「わっ!む、むっちゃんか。」
「今主様と短冊に願い事書いてるんですよ!」
「ほーう、そうながや。何を書いたがや?」
「や、まだ考え中で、どうしようかなって」
「そうかそうか、わしも何か書きたいねや」
「じゃ、むっちゃんも一緒に書くか、ごこは虎くんたちと海に行きたいって願い事にしたらしいよ。いいよねぇ海も。」
 びっっっくりした。陸奥守とは思わなかった。しかもめちゃくちゃ酒臭い。あれだな、奥にいる次郎日本号に飲まされたな。顔も真っ赤だし。
 ちら、と陸奥守を見ると目が合った。ものすごい笑顔だ。可愛い。なんでそんなに笑顔なんだ。やっぱり酔ってるからかな。
「ふふ、むっちゃんすごいにこにこだね。なんかいいことあったの?」
「?あぁ、主は可愛いのう。おんしの願い事は全部わしが叶えちゃるき」
「え、」
後ろで乱が叫ぶ声がする。顔が火が出てるかのように暑い。
「う、わ、ちょっ近っ」
むっちゃんの手が、顔を包む。
「短冊になんか書かいでも全部叶えちゃるき、わしが。全部ぜーんぶ叶えちゃる。海でもどこにでも一緒に行っちゃる。」
 「わしの願いは、主、おんしにわしを選んで欲しいことやき
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