私は零さんに抱き着いた。
『零さん！怪我はないですか!?』

｢名前…。記憶が戻ったのか…？｣
零さんは目に涙を溜めてそう言った。

『はい！全部！私が零さんの彼女だってことも、警視庁公安部だってことも！』
私は笑顔で言った。

｢名前…よかった…。一生、安室透で生きていかないといけないかと思ったよ…。｣
零さんは私を抱き締め涙を流した。

『っ！零さん！泣かないで下さいよ。でも、心配かけて本当にすみません。思い出せてよかったです。』
私も涙を流した。

すると、そこにコナンくんがやってきた。
零さんは私から離れ、コナンくんにバレないように涙を拭いた。
｢名前さん！｣
『コナンくん！』
私はコナンくんに手を振る。
｢名前さん、記憶が戻ったの？｣
『うん！全部思い出したよ！』
私はコナンくんに近づいて、コナンくんにしか聞こえないくらいの声で
『コナンくんが新一くんだってこともね♪』

｢安室さん！名前さん記憶が戻ってよかったね！安室さん、もしかして泣いてた？｣
コナンくんは慌てて話題を変えた。

『(バレた！笑 さすが新一くん。)』
｢泣いてない！｣
零さんは必死に誤魔化した。

そこへ目暮警部や毛利さん達が到着した。
白鳥警部と千葉刑事が風戸先生を連行してパトカーに乗せた。
『目暮警部！毛利さん！』
｢苗字くん、記憶が戻ったのかね？｣
『はい。ご心配おかけしてすみませんでした。目暮警部…美和子さんは…？』
私が目暮警部に美和子さんのことを聞いた、ちょうどその時、千葉刑事が
｢目暮警部！今、高木さんから連絡があり、佐藤さん意識が戻ったそうです！｣

『よかった…。』
私はその場に座り込み涙を流した。
｢名前！大丈夫か？｣
零さんは、私の肩を抱き、立たせて支えてくれた。

｢苗字くんは佐藤くんのことをかなり慕っているからな。佐藤くんも意識が戻って本当によかった。｣

目暮警部達と話していると後ろでコナンくんが何故か小田切警視長と話していた。

｢Need not to know…僕は、ただの小学生だよ。｣
そう言っているのが聞こえ
『(嘘つき…本当は高校生のくせに…)ふふっ』
私は思わず笑ってしまった。

｢名前、どうした？急に笑って。｣

『コナンくんが相変わらずあざといなーって思って。』

零さんは訳が分からず首を傾げていた。