車が窓を破ったと同時に爆弾が爆発し、一気に加速した。

『(歩美ちゃん！タイミングばっちり！)』

すると、哀ちゃんの叫び声が聞こえてきたのでサイドミラーを見ると哀ちゃんが車の外に投げ出され、光彦くんが必死で腕を掴んでいた。
前を見るとプールに置いてあるガラスのオブジェが哀ちゃんにぶつかりそうな位置にあるのに気づいた。

『コナンくん！あの右側のオブジェの端、壊せる？哀ちゃんが危ない！』

コナンくんは歩美ちゃんからヘルメットを取り、キック力増強シューズでオブジェの一部を壊し、ギリギリのところで哀ちゃんにぶつからずに済んだ。
そのまま車はプールに落下した。

『みんな大丈夫？』
｢｢｢はい。｣｣｣
みんなの安全を確認していると、零さん達が走ってきた。

｢名前！みんな大丈夫かい？｣

『透さん！大丈夫ですよ！』
｢よかった…。｣

私はみんなをプールサイドまで1人づつ連れて行き、如月さんもプールサイド近くまで連れて行って、高木刑事、千葉刑事に引き渡した。

零さんが私を引き上げてくれ、着ていたジャケットをかけてくれた。
『零さん、ジャケットが濡れちゃいますよ？』
｢構わないよ。名前本当に無茶ばっかりするなよ…。生きた心地がしなかった…。でも、無事で本当によかった…。｣

『ご心配お掛けしました。でも、この零さんがくれたネックレスのお守りのおかげで助かりました。ありがとうございます』

｢よかった。っあ！はい。預かってた時計。｣
『ありがとうございます。少し暖かい…。』
｢ごめん。名前がバイクで子供達を助けに行ってからずっと握りしめてた。｣

『そうだったんですね。』

零さんと話していると如月さんは千葉刑事達によって署に連行された。

『っあ！そういえば、あのマスタングのコンバーチブル毛利さんが当てたんですね…。』
｢あぁ、そうだよ。｣
私は毛利さんのところへ走っていき
『毛利さん！すみません。車ダメにしちゃって…。修理代は全て私が出しますので。』
私は毛利さんに頭を下げる。

｢仕方ないさ。人の命には変えられんしな。乾かしたら乗れるかもしれんし、もし、修理代がかかるようだったらその時は半分でいいぞ。｣
『でも…。濡らしてダメにしちゃったの私ですし…。』

｢いいって。子供達を助けてくれたし、犯人の如月さんも死なさずに済んだのも名前ちゃんのおかげだしよ。ありがとな！｣
『毛利さん…。ありがとうございます。』
私はまた毛利さんに頭を下げた。

そして、コナンくんに近づいて
『原さんの事件のことだけど、担当が捜査一課だから、原さんは如月さんにやられたってことになるかも…。公安の方ではできる限り調べるけど、組織の有力な情報までいけるか分からない。でも、必ず奴ら組織を壊滅させてみせるから。』

｢うん！ありがとう。俺も頑張るよ。｣

そして、最後に歩美ちゃんのところへ向かう。
『歩美ちゃん！さっきはタイミングばっちりだったよ！』
歩美ちゃんは私に近づいて、私だけに聞こえる声で
｢ありがとう。実は、あれコナンくんのおかげなんだ。コナンくんの近くにいるとドキドキして、心臓の鼓動で時間が分かるんだ♪｣

『へぇーそうなんだ！歩美ちゃん、恋する乙女だね♪』
｢っあ！今の話はみんなには秘密だよ！｣

『わかった！秘密ね！』
少し話して、零さんのところに戻った。