｢そんな脅しに乗るもんですか！｣

｢もし、彼女をノックと言えば、自分もノックだと認めたことになる。そんな奴をあんたが見逃すはずがない！｣

｢それはどうかな？俺は意外と優しいんだぜ。
キール。っふ！2人仲良く互いを庇いあってるということか。｣

｢庇うも何も、彼女がノックかなんて知りませんよ。｣

｢私だって！でも、これだけは言える！私はノックじゃない！｣

｢それはこっちのセリフだ！｣

外から見ていた私と赤井さんは
『赤井さん、どうしますか？』

｢名前、足は速いか？｣
『まぁ、バスケをしてたのでそれなりに…。』

｢よし、ならばこの作戦でいこう。俺がタイミングを見てライトの上の照明を撃ち落とし、奴らの視界を奪う。暗くなった間におそらく、降谷くんが手錠を外すはずだから、俺が合図したら、名前がドアを勢いよく開け、走って逃げ、降谷くんが逃げたように偽装する。｣

『わかりました。』
赤井さんからインカムを渡され、耳に付け、ドア近くで待機する。

カウントは進み
｢5…4…3…2…1…｣

｢0…まずは貴様だ！バーボン！｣
ジンが降谷さんに銃を向けたと同時に赤井さんが天井の照明を撃ち落とす。
照明がジンの横のライトの上に落ち、真っ暗になる。

｢バーボン！キール！動くな！｣
ベルモットが携帯のライトで2人を照らすが
降谷さんは手錠を外していた。
｢っ！バーボンがいない！逃げたわ。｣

すると、赤井さんから
｢名前！今だ！｣

赤井さんからの合図で私はドアを蹴り、勢いよく開け、奴らの死角に入るまで全力で走った。

しばらくして、赤井さんと合流した。

｢なかなか速かったじゃないか。｣

『ありがとうございます。あの…降谷さんは…？』

｢無事だ。RAMから連絡がらあり、キュラソーの奪還を優先し、東都水族館に向かった。｣

『よかった…。私は公安の方に合流して、奴らを迎え撃ちます！』

｢わかった。気をつけろよ。｣

赤井さんと別れ、タクシーで東都水族館に向かった。

タクシーに乗り、風見さんに電話をかけた。

『お疲れ様です。連絡遅くなり、申し訳ありません。』

｢構わない。調べたいことは調べられたか？｣

『はい。やはり、降谷さんがノックだということが、組織に渡っていたようです。』

｢本当か！それで、降谷さんは？｣

『降谷さんは無事です。降谷さんと日本にいるもう1人の女性の情報が不確かだったらしく、すぐに暗殺せずに拉致して、口を割らせようとしたみたいです。』

｢そうか。よかった。今、あの女性を刑事部から引き渡してもらい、東都水族館にむかっている。さっき、降谷さんから連絡があり、彼女が観覧車で発作を起こしたから、着き次第、観覧車に乗せる。｣
『わかりました。私も着き次第観覧車に向かうので、そこで合流します。』

｢わかった。じゃぁ後でな。｣

風見さんの電話を終え、しばらくして東都水族館に着いた。
私は観覧車に向かった。