そして、夜、絢さんから連絡があり、風見さん達がコンピュータ室に向かった。
しかし、3人で制圧できず、奴が廊下を走って来る音がした。

『(この音はヒール？女なの？)』
｢来るぞ！｣

私と降谷さんに同時に飛び出し、攻撃を仕掛ける。
私の攻撃は避けられたが、降谷さんの右ストレートがヒットし、奴は後に仰け反った。
その瞬間、片方のカラコンが外れ、左右の目の色が異なった。

｢まさか！その目！｣
降谷さんはかなり驚いていた。
すると、後ろから風見さんが走ってきて
｢降谷さん！苗字！ズレて！｣
風見さんは拳銃を構えた。

奴はニヤリと笑い、窓を蹴破って、パイプを伝い、一般市民から車を奪い逃走した。

私と降谷さんは急いで駐車場に向かい、降谷さんの愛車マツダRX-7に乗り込み、バーを折り、勢いよく駐車場から飛び出した。

私はあらかじめ乗せて置いたパソコンを使い、奴が乗った車を探す。

『降谷さん！奴は首都高方面に向かっていると思われます！』

｢よしっ！何かに掴まってろ！｣
降谷さんはスピードを上げ、首都高に向かう。

首都高に乗り、しばらくすると奴が乗った車を見つけた。

『降谷さん！あの紺の車です！』
｢よしっ！｣
降谷さんはさらにスピードを上げ、奴の車の横に付け、容赦なく体当たりする。

奴の車の前にトラックがおり、ハンドルを切ってトラックを避ける。
降谷さんも逃げられまいと横に付け、スライドする。
すると、横に赤いマスタングが現れた。

『(来たな…。)』
｢誰だっ！？…赤井っ！｣

降谷さんは赤井さんと競い合うようにスピードを上げた。

｢下がれ！赤井！奴は公安のものだ！｣

『降谷さん！前！』
奴の車は軽自動車に横からぶつかり、トラックと奴の車に挟まれた軽自動車は高く跳ね上がった。
｢『っえ…!?』｣
私達は唖然として高く跳ね上がった軽自動車を見つめる。
降谷さんの車の上に落ちてきそうだったため、降谷さんの車のスピードを上げた。

落ちた軽自動車は急ブレーキをかけたガソリン輸送車にぶつかった。幸い、ガソリン漏れもなく、両車両の運転手、同乗者は無事だったようで、慌てて車から離れた。

赤井さんは接触した車の前で止まる。

私は見失った奴の車の位置をパソコンで確認する。しかし、奴の車の動きが止まった。

『降谷さん！この先渋滞です！…っえ!?』

｢どうした？｣
『奴の車が近づいてくる…、まさか！逆走!？』

すると、奴の車が横切った。
降谷さんは方向転換し、追いかけた。