ある日のこと

降谷さんが久しぶりに登庁すると
｢明日の夜、組織の奴がこの警察庁に潜入し、あるものを盗むことが分かった。｣
公安部がざわついた。

『降谷さん…あるものとは？』
｢ノックリストだ。｣

『えっ…。降谷さん…。』
私は不安げに降谷さんを見る。

｢30分後に会議を始める！｣
｢｢｢はい！｣｣｣
全員が返事をした。

不安げに立ち尽くしていた私に降谷さんが気づき、私に近づいてきた。
｢苗字…。大丈夫だ。お前も風見もいる。簡単に奪われたりしないさ。｣

『降谷さん…。』
私は泣きそうなのを必死に堪え、会議室に向かった。


～会議室～

降谷さんが1人1人役割を分担していく。

｢清水達は警備室でコンピュータ室に奴が侵入したら、すぐ風見に連絡してくれ。そして、風見、佐々木、鈴木は連絡が入り次第、コンピュータ室に向かい、奴を制圧しろ。｣

呼ばれた人達ははい。と返事をする。

｢もし、コンピュータ室で制圧しきれなかった場合も考えて、俺と苗字は廊下の角で待ち構え、奴を制圧する。｣

『わかりました！』

｢じゃぁ、各々明日の動きを確認し、明日に備えてくれ。｣

｢｢｢はい！｣｣｣

会議は終了した。
すると、佐々木が
｢お前、気合い入れ過ぎて空回りするなよ。お前、無茶して空回りしてしまうとこあっからな！｣
私はムスッとして
『うるさいわね！空回りなんてしませんよーっだ！佐々木も無茶して空回りしないでよね！』

｢お前じゃねーんだからしねーよ！｣
『降谷さんを守らないといけないんだから、空回りなんてできないもん…。』
私はシュンとした。
｢いつものお前らしくねーな。あんまり考えすぎるなよ。｣

『うん…。』

佐々木は風見さんに呼ばれ、風見さんの元へ向かった。向かう途中、降谷さんに何かを言っていた。

すると、降谷さんが近づいてきた。
｢苗字…。｣

『降谷さん…。』
私はまた泣きそうな顔になる。
｢そんな顔をするな。大丈夫だよ。お前は若いが拳銃の腕前はいいし、身体能力もかなり高い。俺はお前のことを信頼している。だが、無理だけはするなよ。これ以上、俺の大事な人を失いたくないんだ。｣

いつもの降谷さんらしくない…。

『降谷さん…。無理するなというのは保証できません…。降谷さんの命がかかってるので。何としてでも降谷さんを守ります！』

降谷さんは困った顔をし頬を人差し指で掻きながら
｢お前は本当に頼りになるな…。だか、奴等に目を付けられるような、危険な行動だけはしないと約束してくれ。｣

『はい…。』
私が返事をすると、降谷さんはニッコリ笑い頭を優しく撫でてくれた。