緋色シリーズ
~夢主設定~
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「どうぞ適当に座って下さい。」
「ありがとうございます。」
そう言った降谷さんは部屋中を見回す。
私は降谷さんに仕込んだカメラの映像を確認する。
『(赤井さんのことだから、真っ向から降谷さんとは会わないだろうし、沖矢昴は誰か別の人の変装だろう。でも、誰だろう?)』
「お待たせしました。」
そう言って、沖矢昴は飲み物を持ってきた。
「ミステリーはお好きですか?」
「えぇ、まぁ…。」
「では、まずその話から。まぁ、単純な死体すり替えトリックですけどね。」
「ほぉー。ミステリーの定番ですね。」
降谷さんは話し始めた。
「ある男が、来葉峠で頭を拳銃で撃たれ、その男の車ごと焼かれたんですが、かろうじて焼け残った右手から採取された指紋が、生前、その男が手に取ったというある少年の携帯電話に付着していた指紋と一致し、死んだ男の身元が証明されました。でも、妙なんです。」
「妙とは?」
「その携帯に付いていた指紋ですよ…。その男はレフティ…左利きなのになぜか携帯に付着していたのは右手の指紋だった…変だと思いませんか?」
「携帯を取った時、偶然利き手が何かでふさがっていたからなんじゃ…。」
「もしくは右手で取らざるを得なかったか…。」
「ほう…それはなぜ?」
「その携帯は、その男が手に取る前に別の男が拾っていて、その拾った男が右利きだったからですよ。」
「別の男?」
「えぇ…。実際には3人の男にその携帯を拾わせようとしていたようですけどね…。さて、ここでクエスチョン…最初に拾わせようとしたのは、脂性の太った男、次に首にギプスをつけた痩せた男、そして、最後にペースメーカーを埋め込まれた老人…。この3人の中で指紋が残っていたのは1人だけ…。誰だと思います?」
『(今のところ、ジョディさんも沖矢昴も変わった様子はなし。でも、ジョディさんの方はそろそろ動きがありそう。来葉峠にも近づいてきたし。)』
「2番目の痩せた男ですね。なぜなら、最初の太った男が拾った時に付着した指紋はキレイに拭き取られてしまったから。脂まみれの携帯を後の2人に拾わせるのは気が引けるでしょうしね。そして、3番目の老人は携帯の電波でペースメーカーが不具合を起こすのを危惧して拾いすらしなかったってところでしょうか。」
「えぇ…。」
「でも、痩せた男の後に、問題の殺された男も、その携帯を手にしてたんですよね?だったらその男の指紋も…」
「付かない工夫をしていたとしたら?恐らくその男は、こうなる事を見越して、あらかじめ指先にコーティングをしていたとか。」
「なるほど…なかなか興味深いミステリーですが、その撃たれたフリをした男…その後、どうやってその場から立ち去ったんですか?」
「それを答える前にTVを消してくれませんか?大事な話をしているんですから。」
「いいじゃないですか。気になるんですよ。マカデミー賞。それで、その男はどうやって?」
降谷さんは詳しく話し出した。
「その男を撃った女とグルだったんでしょうから恐らくその女の車にこっそり乗り込んで逃げたんでしょうね。離れた場所でその様子を見ていた監視役の男の目を盗んでね。」
「監視役がいたんですか…。」
「えぇ…監視役の男はまんまと騙されたってわけです。なにしろ、撃たれた男は頭から血を噴いて倒れたんですから…。」
「頭から血を?」
「だが、それもフェイク…撃たれた男は、いつもニット帽を被っていましたから。この近所にMI6も顔負けの発明品を作っている博士がいるそうじゃないですか…。彼に頼めば、空砲に合わせてニット帽から血のりが噴き出す仕掛けぐらい簡単に作れそうだ…。」
『(降谷さん、いつの間に阿笠博士のことまで調べたの?)』
「ありがとうございます。」
そう言った降谷さんは部屋中を見回す。
私は降谷さんに仕込んだカメラの映像を確認する。
『(赤井さんのことだから、真っ向から降谷さんとは会わないだろうし、沖矢昴は誰か別の人の変装だろう。でも、誰だろう?)』
「お待たせしました。」
そう言って、沖矢昴は飲み物を持ってきた。
「ミステリーはお好きですか?」
「えぇ、まぁ…。」
「では、まずその話から。まぁ、単純な死体すり替えトリックですけどね。」
「ほぉー。ミステリーの定番ですね。」
降谷さんは話し始めた。
「ある男が、来葉峠で頭を拳銃で撃たれ、その男の車ごと焼かれたんですが、かろうじて焼け残った右手から採取された指紋が、生前、その男が手に取ったというある少年の携帯電話に付着していた指紋と一致し、死んだ男の身元が証明されました。でも、妙なんです。」
「妙とは?」
「その携帯に付いていた指紋ですよ…。その男はレフティ…左利きなのになぜか携帯に付着していたのは右手の指紋だった…変だと思いませんか?」
「携帯を取った時、偶然利き手が何かでふさがっていたからなんじゃ…。」
「もしくは右手で取らざるを得なかったか…。」
「ほう…それはなぜ?」
「その携帯は、その男が手に取る前に別の男が拾っていて、その拾った男が右利きだったからですよ。」
「別の男?」
「えぇ…。実際には3人の男にその携帯を拾わせようとしていたようですけどね…。さて、ここでクエスチョン…最初に拾わせようとしたのは、脂性の太った男、次に首にギプスをつけた痩せた男、そして、最後にペースメーカーを埋め込まれた老人…。この3人の中で指紋が残っていたのは1人だけ…。誰だと思います?」
『(今のところ、ジョディさんも沖矢昴も変わった様子はなし。でも、ジョディさんの方はそろそろ動きがありそう。来葉峠にも近づいてきたし。)』
「2番目の痩せた男ですね。なぜなら、最初の太った男が拾った時に付着した指紋はキレイに拭き取られてしまったから。脂まみれの携帯を後の2人に拾わせるのは気が引けるでしょうしね。そして、3番目の老人は携帯の電波でペースメーカーが不具合を起こすのを危惧して拾いすらしなかったってところでしょうか。」
「えぇ…。」
「でも、痩せた男の後に、問題の殺された男も、その携帯を手にしてたんですよね?だったらその男の指紋も…」
「付かない工夫をしていたとしたら?恐らくその男は、こうなる事を見越して、あらかじめ指先にコーティングをしていたとか。」
「なるほど…なかなか興味深いミステリーですが、その撃たれたフリをした男…その後、どうやってその場から立ち去ったんですか?」
「それを答える前にTVを消してくれませんか?大事な話をしているんですから。」
「いいじゃないですか。気になるんですよ。マカデミー賞。それで、その男はどうやって?」
降谷さんは詳しく話し出した。
「その男を撃った女とグルだったんでしょうから恐らくその女の車にこっそり乗り込んで逃げたんでしょうね。離れた場所でその様子を見ていた監視役の男の目を盗んでね。」
「監視役がいたんですか…。」
「えぇ…監視役の男はまんまと騙されたってわけです。なにしろ、撃たれた男は頭から血を噴いて倒れたんですから…。」
「頭から血を?」
「だが、それもフェイク…撃たれた男は、いつもニット帽を被っていましたから。この近所にMI6も顔負けの発明品を作っている博士がいるそうじゃないですか…。彼に頼めば、空砲に合わせてニット帽から血のりが噴き出す仕掛けぐらい簡単に作れそうだ…。」
『(降谷さん、いつの間に阿笠博士のことまで調べたの?)』
3/3ページ
