fate -divine agent-
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「ここは…?」
目がさめると見たことのない部屋にいた。
何をしていたのか全く思い出せなく、なぜ自分が部屋のど真ん中に佇んでいるかもさっぱりだ。
辺りを見渡すと、家具はそんなになく、目立つものは観葉植物とコーヒーメーカーくらい。
大体私はコーヒーより紅茶派だ。まず私の部屋ならコーヒーメーカーがある時点でおかしい。…いや、私の部屋ではないはずだけれども。
壁は白を基調とされていて、まるで病室のようだ。いや、病室よりはいささか部屋に近いけれど。なんというか、無機質的で殺風景。ああ、そうだ。生活感がないんだ。
「フォーウ!」
その瞬間、聞きなれない鳴き声が聞こえた。その方向を振り向くと、可愛らしい生き物がドアの前にちょこんと佇んでいた。
耳が長いからうさぎのような…いや、体の大きさ的にはリスかな…?
「…どなた?…」
「フォーウ!」
私の言葉に反応したかと思うと、その生物は扉をあけて出て行ってしまった。自動ドアだろうか。…部屋に自動ドア…?そんなハイテクな施設あるの…?
いろいろな疑問が頭をめぐるが、多すぎて整理できない。
ここはどこか、あれはなんなのか、この部屋はなんなのか、フォウと鳴く動物はいるのか、自動ドアがある部屋ってどこだ。
もんもんと考えていると、ドンっという衝撃と共に急に周囲が真っ暗になる。
「え、なに…?」
間髪入れずに警報音のようなものが鳴り響く。あまり聞き慣れないものなので、思わず耳を塞ぎたくなる。恐怖を煽るにはもってこいのシチュエーションだ。
覚えのない部屋、謎の生物、大きな音でなる警報音。
辺りをキョロキョロ見渡すが、答えを教えてくれる人はいるわけがなく。
とりあえずここを出なくちゃ。
そう思いドアから外に出た。
長い廊下のような場所にでたらしいが、なにぶん真っ赤なライトが点滅していて、よくわからない。
緊急事態なのだろう。よくある「繰り返す、これは訓練ではない!」とかいうやつ。たぶん。
だれかいるのか声をかけてみたいが、おそらくこの警報のなかでは私の声などかき消されてしまうだろう。
とにかく、歩かなければ。どこかへ。
迷路で迷わない時にするように、右手を壁につけて進んでいく。本当に、ここはどこなんだろう。
なにか放送が鳴っているが、よく聞き取れない。心なしか頭がぼうっとしている気がする。元々ぼーっとしてるんだからこれ以上ぼーっとしないでくれ。頼む。
「フォウ!!!」
はっと顔をあげると、先程の生物が目の前にいた。
フォウとしか鳴かないのでもう名称:フォウでいいだろう。
フォウは私の瞳をじっと見つめたかと思うと、くるりと反転し、向こう側へ走っていく。
「え、ちょっ、まって!!」
慌てて追いかける私を、待ちながらなのか。一定の距離をあけながらフォウは走って行く。
どのくらいはしっただろう。距離的には大したことない気がするが、何分日頃の運動不足がたたって足がもつれて来た…。
そんな時にフォウは急に足を止めた。
「ちょ……なんなの…」
息も絶え絶えにそう言葉を絞り出すと、フォウは壁の方をみてまたもや「フォウ!」と泣く。
よく見るとそこは扉の前だった。
怪訝そうな顔で扉に近づく。すると自動ドアがあいた。電気は消えていたが、予備電源か何かで電力は通っているらしい。そういえば部屋の自動ドアも問題なく開いたな…。
そんなのほほんとしたことを考えていた私の
目に飛び込んで来たもの。
それは、真っ赤に燃える部屋だった。爆発でも起きたのだろうか、周りは瓦礫が散乱している。そして、その中央に浮かぶよくわからない球体の黒い機械のようなもの。
機械だと思ったのは、何やら警告のような言葉がその球体から流れ続けているからだった。レイ…なんとか?ダメだ、聞き取れないしそんなの聞き取っている場合でもない。
誰もいないのだろうか。煙をできるだけ吸わないようにして、辺りを見渡す。
すると、よくわからない筒状のものがいくつか散乱していることに気がつく。
「なにこ…!?」
その筒状のものには窓のような部分があり、そこからは人間の顔が認識できた。まるで映画などでみるコールドスリープのようだ。
死んでいるのか生きているのかはわからない。開け方もわからないし、もし生きているのなら下手に開けないほうがいいのかもしれない。いや、でも、どうしよう、中に酸素なかったりしたら。電源が切れてそういう機能が止まってるとしたら…開けたほうが…いやでも…。
とにかくほかに人はいないのかもう一度辺りを見渡す。
思いの外、部屋は広いらしく、奥の方まで空間が広がっているように見えた。
瓦礫が散乱している中、足を踏み外さないように奥へ進んでいく。少し急ぎ足で。
アスレチックのような道筋を少し行くと、大きな四角い岩のような壁のようなものが見えた。その下。少女が押しつぶされるように挟まっているのを見つけ、私の顔は一気に青ざめる。
「大丈夫!?」
転びそうになりながらも慌てて駆け寄る。岩に手をかけた瞬間、小さな悲鳴とともに私は手を離した。どうやら熱を帯びているらしい。こんな熱い岩…どうやったって…。
私の悲痛にも似た表情をみてとってか、少女は小さく微笑んだ。
「…いえ、大丈夫では、ないと思い、ます。先輩、は、逃げ、てください」
喋るのも辛いのだろう。言葉は途切れ途切れだ。
先輩と言われ、誰だこの子は知り合いか!?いやこんな可愛い子知らないぞ!?と一瞬頭を巡らせたが、今はそんなことを気にしている余裕はない。
来ていた上着を脱ぎ、それを手に被せるようにしてもう一度岩に手をかける。
火事場の馬鹿力というのを期待したものの、岩はびくともしない。
「せん、ぱい…逃げてください…」
少女がそう言った瞬間、私の目の前で球体が一気に赤く染まった。
「…カル、デアスが、真っ赤に…」
少女の呟きで、とりあえずこの球体がカルデアスというものなんだろうと理解する。ただ、どちらかというとそれよりそのカルデアスというものから発せられている<人類の未来は、保証できません>という言葉が気になった。そしてそれに続き、<隔壁、封鎖します>という不穏な言葉が流れる。
「そんな、ことより、」
少女がこちらを見る。
「…隔壁、閉まっちゃい、ました。もう、外、には…」
その言葉に一瞬で焦りと絶望が押し寄せてくる。
なんで、私はここに?ここで?死ぬの?え、そんなの嫌だ。
死にたくない!!!
そう強く思った瞬間。右手の甲が酷く熱く痛んだ。先ほどの火傷だろうか。
「熱…痛…!!あ、あ…い…いた…」
手を抑えしゃがみこむ。そんな私に少女が手を伸ばしてきた。
「先輩、どう、しました、先ぱ」
<3 2 1 。>
少女の声と。機械の声が。同時に頭を支配して。
私の頭は真っ白になった。
目がさめると見たことのない部屋にいた。
何をしていたのか全く思い出せなく、なぜ自分が部屋のど真ん中に佇んでいるかもさっぱりだ。
辺りを見渡すと、家具はそんなになく、目立つものは観葉植物とコーヒーメーカーくらい。
大体私はコーヒーより紅茶派だ。まず私の部屋ならコーヒーメーカーがある時点でおかしい。…いや、私の部屋ではないはずだけれども。
壁は白を基調とされていて、まるで病室のようだ。いや、病室よりはいささか部屋に近いけれど。なんというか、無機質的で殺風景。ああ、そうだ。生活感がないんだ。
「フォーウ!」
その瞬間、聞きなれない鳴き声が聞こえた。その方向を振り向くと、可愛らしい生き物がドアの前にちょこんと佇んでいた。
耳が長いからうさぎのような…いや、体の大きさ的にはリスかな…?
「…どなた?…」
「フォーウ!」
私の言葉に反応したかと思うと、その生物は扉をあけて出て行ってしまった。自動ドアだろうか。…部屋に自動ドア…?そんなハイテクな施設あるの…?
いろいろな疑問が頭をめぐるが、多すぎて整理できない。
ここはどこか、あれはなんなのか、この部屋はなんなのか、フォウと鳴く動物はいるのか、自動ドアがある部屋ってどこだ。
もんもんと考えていると、ドンっという衝撃と共に急に周囲が真っ暗になる。
「え、なに…?」
間髪入れずに警報音のようなものが鳴り響く。あまり聞き慣れないものなので、思わず耳を塞ぎたくなる。恐怖を煽るにはもってこいのシチュエーションだ。
覚えのない部屋、謎の生物、大きな音でなる警報音。
辺りをキョロキョロ見渡すが、答えを教えてくれる人はいるわけがなく。
とりあえずここを出なくちゃ。
そう思いドアから外に出た。
長い廊下のような場所にでたらしいが、なにぶん真っ赤なライトが点滅していて、よくわからない。
緊急事態なのだろう。よくある「繰り返す、これは訓練ではない!」とかいうやつ。たぶん。
だれかいるのか声をかけてみたいが、おそらくこの警報のなかでは私の声などかき消されてしまうだろう。
とにかく、歩かなければ。どこかへ。
迷路で迷わない時にするように、右手を壁につけて進んでいく。本当に、ここはどこなんだろう。
なにか放送が鳴っているが、よく聞き取れない。心なしか頭がぼうっとしている気がする。元々ぼーっとしてるんだからこれ以上ぼーっとしないでくれ。頼む。
「フォウ!!!」
はっと顔をあげると、先程の生物が目の前にいた。
フォウとしか鳴かないのでもう名称:フォウでいいだろう。
フォウは私の瞳をじっと見つめたかと思うと、くるりと反転し、向こう側へ走っていく。
「え、ちょっ、まって!!」
慌てて追いかける私を、待ちながらなのか。一定の距離をあけながらフォウは走って行く。
どのくらいはしっただろう。距離的には大したことない気がするが、何分日頃の運動不足がたたって足がもつれて来た…。
そんな時にフォウは急に足を止めた。
「ちょ……なんなの…」
息も絶え絶えにそう言葉を絞り出すと、フォウは壁の方をみてまたもや「フォウ!」と泣く。
よく見るとそこは扉の前だった。
怪訝そうな顔で扉に近づく。すると自動ドアがあいた。電気は消えていたが、予備電源か何かで電力は通っているらしい。そういえば部屋の自動ドアも問題なく開いたな…。
そんなのほほんとしたことを考えていた私の
目に飛び込んで来たもの。
それは、真っ赤に燃える部屋だった。爆発でも起きたのだろうか、周りは瓦礫が散乱している。そして、その中央に浮かぶよくわからない球体の黒い機械のようなもの。
機械だと思ったのは、何やら警告のような言葉がその球体から流れ続けているからだった。レイ…なんとか?ダメだ、聞き取れないしそんなの聞き取っている場合でもない。
誰もいないのだろうか。煙をできるだけ吸わないようにして、辺りを見渡す。
すると、よくわからない筒状のものがいくつか散乱していることに気がつく。
「なにこ…!?」
その筒状のものには窓のような部分があり、そこからは人間の顔が認識できた。まるで映画などでみるコールドスリープのようだ。
死んでいるのか生きているのかはわからない。開け方もわからないし、もし生きているのなら下手に開けないほうがいいのかもしれない。いや、でも、どうしよう、中に酸素なかったりしたら。電源が切れてそういう機能が止まってるとしたら…開けたほうが…いやでも…。
とにかくほかに人はいないのかもう一度辺りを見渡す。
思いの外、部屋は広いらしく、奥の方まで空間が広がっているように見えた。
瓦礫が散乱している中、足を踏み外さないように奥へ進んでいく。少し急ぎ足で。
アスレチックのような道筋を少し行くと、大きな四角い岩のような壁のようなものが見えた。その下。少女が押しつぶされるように挟まっているのを見つけ、私の顔は一気に青ざめる。
「大丈夫!?」
転びそうになりながらも慌てて駆け寄る。岩に手をかけた瞬間、小さな悲鳴とともに私は手を離した。どうやら熱を帯びているらしい。こんな熱い岩…どうやったって…。
私の悲痛にも似た表情をみてとってか、少女は小さく微笑んだ。
「…いえ、大丈夫では、ないと思い、ます。先輩、は、逃げ、てください」
喋るのも辛いのだろう。言葉は途切れ途切れだ。
先輩と言われ、誰だこの子は知り合いか!?いやこんな可愛い子知らないぞ!?と一瞬頭を巡らせたが、今はそんなことを気にしている余裕はない。
来ていた上着を脱ぎ、それを手に被せるようにしてもう一度岩に手をかける。
火事場の馬鹿力というのを期待したものの、岩はびくともしない。
「せん、ぱい…逃げてください…」
少女がそう言った瞬間、私の目の前で球体が一気に赤く染まった。
「…カル、デアスが、真っ赤に…」
少女の呟きで、とりあえずこの球体がカルデアスというものなんだろうと理解する。ただ、どちらかというとそれよりそのカルデアスというものから発せられている<人類の未来は、保証できません>という言葉が気になった。そしてそれに続き、<隔壁、封鎖します>という不穏な言葉が流れる。
「そんな、ことより、」
少女がこちらを見る。
「…隔壁、閉まっちゃい、ました。もう、外、には…」
その言葉に一瞬で焦りと絶望が押し寄せてくる。
なんで、私はここに?ここで?死ぬの?え、そんなの嫌だ。
死にたくない!!!
そう強く思った瞬間。右手の甲が酷く熱く痛んだ。先ほどの火傷だろうか。
「熱…痛…!!あ、あ…い…いた…」
手を抑えしゃがみこむ。そんな私に少女が手を伸ばしてきた。
「先輩、どう、しました、先ぱ」
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少女の声と。機械の声が。同時に頭を支配して。
私の頭は真っ白になった。
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