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思いが通じ合って数ヶ月。
コンラートは日々の忙しい仕事の合間を縫って、フローレンスの元へと通っていた。
会えるのは大体、1日の仕事が終わった夕方から夜。
この日も、手に小さな花束を携えたコンラートがフローレンスの部屋を訪れたのは、空が夕焼け色に染まる頃だった。
「まぁ、素敵!ラナンキュラスね。」
「そう言う名前なんだね。可憐な姿が何処となく君みたいで、買わずにはいられなかったんだ。」
歯の浮くような気障な台詞をさらりと言えてしまうのは、彼の母上の教育の賜物かもしれない。
そんな事を頭の片隅で思いながら、フローレンスは花束を受け取ると背伸びをして彼の首に抱きついた。彼の大きな手が優しく髪を撫で、とろけるようなキスが降ってくる。
春はもう直ぐそこまで近付いてはいるが、夜はまだ冷える。コンラートは着てきた外套を脱ぎ壁のフックに掛けると、ソファに腰を下ろした。彼のその慣れた動作に、フローレンスは密かに小さな喜びを覚える。
花を花瓶に飾り、温かい紅茶とささやかな菓子を用意して、フローレンスも彼の隣に座った。寒さを言い訳にしてくっつくと、コンラートは少し呆れたように眉を下げて微笑んだ。
それから少しの時間、互いの1日を語り合う。貴族でありながらも気取らない彼の話は面白くて、取り留めの無い穏やかな時間はあっという間に過ぎて行き、気付けば真夜中が近くなっていた。
コンラートは部屋の時計にちらりと目をやる。
その横顔を見て、フローレンスは無性に寂しくなる。表情に出てしまいそうで、棚に紅茶の茶葉を片付けるふりをして立ち上がった。
夜が更けると、コンラートは最後に優しいキスをして、血盟城に帰ってしまう。
2人の間に身体の関係は、まだ無い。
彼と親密になる前は、周りから「ウェラー卿は夜の帝王で…」なんてスキャンダラスな噂話も聞いた事があったけれど、とても大切にしてくれているのだと思う。
頬に触れる手や、抱きしめる腕はいつも優しくて、もどかしい程だ。
「もうこんな時間か。」
パチパチと音を立てて燃える暖炉の火を眺めてそう呟くと、コンラートはソファから立ち上がってフローレンスに歩み寄った。
細い体を包み込むように、背後から抱きしめる。
「フローラ。」
背の高い彼から降ってくる声は少し甘えを含んでいて、フローレンスは胸が締め付けられて堪らなく切なくなった。くるりと振り返ると、大きな背中に腕を回して、ぎゅっと抱きしめる。
すると彼の指が顎に触れる。促されるまま上を仰ぐと、いつも以上に優しい口付け。
どうしよう…
離れたくない。
離したくない。
もっと触れていたい。
「あの、コンラート、」
「うん。」
「お願い、聞いてくれる?」
「勿論。君の望みなら何でも。」
そう言うと、フローレンスは言葉の続きを探すように瞳を彷徨わせた。コンラートの指が、優しく髪を撫でる。
勇気を掻き集めて、フローレンスは口を開いた。
「あの、…今夜は、…もっと一緒にいて欲しいの。」
か細い声でポツリとそう溢すと、真っ赤に頬を染めてきゅっと唇を結んだ。
不意打ちを喰らったコンラートは、喜びと困惑で一瞬言葉を失った。
「あ…、ごめんなさい、変な事を言って。お願い、忘れて…。」
「いや、違う。ごめん、…嬉しくて。君がそんな事を言ってくれるなんて。」
「忙しいのに、こうして会いにきてくれるだけで嬉しいの。でも、…」
瞳に涙を浮かべるフローレンスを、コンラートは堪らず抱きしめた。
「寂しい思いをさせてすまない。あぁ、どうか泣かないで。今日は、朝まで一緒に居よう。」
その言葉にフローレンスが頷くと、いつもの調子に戻ったコンラートはフローレンスの身体をふわりと抱き上げた。突然の事に驚いて、彼の首にきゅっとしがみつく。
優しくベッドの上に降ろすと、コンラートがその上に覆い被さった。
「君に会う度、ずっとこうしたかったけれど…。君を傷付けたくなくて、俺は臆病になっていたんだ。フローラ、触れてもいい?」
その言葉に、フローレンスが小さく頷く。
コンラートは襟元のボタンを一つ緩めながら唇を重ねた。いつもより長く深いキスに、鼓動が早くなる。唇を離すと、茶色の瞳を細めて愛おしそうにフローレンスの頬に手を滑らせた。
「フローラ愛しているよ。」
深夜0時を回る頃、静かな街の片隅で。
コンラートは日々の忙しい仕事の合間を縫って、フローレンスの元へと通っていた。
会えるのは大体、1日の仕事が終わった夕方から夜。
この日も、手に小さな花束を携えたコンラートがフローレンスの部屋を訪れたのは、空が夕焼け色に染まる頃だった。
「まぁ、素敵!ラナンキュラスね。」
「そう言う名前なんだね。可憐な姿が何処となく君みたいで、買わずにはいられなかったんだ。」
歯の浮くような気障な台詞をさらりと言えてしまうのは、彼の母上の教育の賜物かもしれない。
そんな事を頭の片隅で思いながら、フローレンスは花束を受け取ると背伸びをして彼の首に抱きついた。彼の大きな手が優しく髪を撫で、とろけるようなキスが降ってくる。
春はもう直ぐそこまで近付いてはいるが、夜はまだ冷える。コンラートは着てきた外套を脱ぎ壁のフックに掛けると、ソファに腰を下ろした。彼のその慣れた動作に、フローレンスは密かに小さな喜びを覚える。
花を花瓶に飾り、温かい紅茶とささやかな菓子を用意して、フローレンスも彼の隣に座った。寒さを言い訳にしてくっつくと、コンラートは少し呆れたように眉を下げて微笑んだ。
それから少しの時間、互いの1日を語り合う。貴族でありながらも気取らない彼の話は面白くて、取り留めの無い穏やかな時間はあっという間に過ぎて行き、気付けば真夜中が近くなっていた。
コンラートは部屋の時計にちらりと目をやる。
その横顔を見て、フローレンスは無性に寂しくなる。表情に出てしまいそうで、棚に紅茶の茶葉を片付けるふりをして立ち上がった。
夜が更けると、コンラートは最後に優しいキスをして、血盟城に帰ってしまう。
2人の間に身体の関係は、まだ無い。
彼と親密になる前は、周りから「ウェラー卿は夜の帝王で…」なんてスキャンダラスな噂話も聞いた事があったけれど、とても大切にしてくれているのだと思う。
頬に触れる手や、抱きしめる腕はいつも優しくて、もどかしい程だ。
「もうこんな時間か。」
パチパチと音を立てて燃える暖炉の火を眺めてそう呟くと、コンラートはソファから立ち上がってフローレンスに歩み寄った。
細い体を包み込むように、背後から抱きしめる。
「フローラ。」
背の高い彼から降ってくる声は少し甘えを含んでいて、フローレンスは胸が締め付けられて堪らなく切なくなった。くるりと振り返ると、大きな背中に腕を回して、ぎゅっと抱きしめる。
すると彼の指が顎に触れる。促されるまま上を仰ぐと、いつも以上に優しい口付け。
どうしよう…
離れたくない。
離したくない。
もっと触れていたい。
「あの、コンラート、」
「うん。」
「お願い、聞いてくれる?」
「勿論。君の望みなら何でも。」
そう言うと、フローレンスは言葉の続きを探すように瞳を彷徨わせた。コンラートの指が、優しく髪を撫でる。
勇気を掻き集めて、フローレンスは口を開いた。
「あの、…今夜は、…もっと一緒にいて欲しいの。」
か細い声でポツリとそう溢すと、真っ赤に頬を染めてきゅっと唇を結んだ。
不意打ちを喰らったコンラートは、喜びと困惑で一瞬言葉を失った。
「あ…、ごめんなさい、変な事を言って。お願い、忘れて…。」
「いや、違う。ごめん、…嬉しくて。君がそんな事を言ってくれるなんて。」
「忙しいのに、こうして会いにきてくれるだけで嬉しいの。でも、…」
瞳に涙を浮かべるフローレンスを、コンラートは堪らず抱きしめた。
「寂しい思いをさせてすまない。あぁ、どうか泣かないで。今日は、朝まで一緒に居よう。」
その言葉にフローレンスが頷くと、いつもの調子に戻ったコンラートはフローレンスの身体をふわりと抱き上げた。突然の事に驚いて、彼の首にきゅっとしがみつく。
優しくベッドの上に降ろすと、コンラートがその上に覆い被さった。
「君に会う度、ずっとこうしたかったけれど…。君を傷付けたくなくて、俺は臆病になっていたんだ。フローラ、触れてもいい?」
その言葉に、フローレンスが小さく頷く。
コンラートは襟元のボタンを一つ緩めながら唇を重ねた。いつもより長く深いキスに、鼓動が早くなる。唇を離すと、茶色の瞳を細めて愛おしそうにフローレンスの頬に手を滑らせた。
「フローラ愛しているよ。」
深夜0時を回る頃、静かな街の片隅で。
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