常夜の心
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カカシくんが一生帰れないのかもしれないというのに焦りもなく淡々と話している。14歳だというカカシくんは妙に落ち着いて…一瞬生気のない抑揚のない声で呟いた。
「…ま、術が解けるか俺が死ぬかすれば帰れるデショ。…俺の代わりはいくらでも…」
«ぺちっ»
私は右手でカカシくんの左頬を軽くはたいてそのまま手を添えた。
「そんなこと言っちゃダメ!」
「………ナマエ…さん…」
「世界中のどこを探してもあなたの代わりはいないよ。…カカシくんはただ1人しかいないんだよ。…悲しむ人が、必ずいるの」
だからそんな悲しいこと言わないで。
そう言うとカカシくんは両目を見開いたあと、1つ2つと涙を零して左頬に添えたままの私の手を包み込むように握り、頬擦りをした。
「…俺なんかの為に…いるのかな…」
「…いるよ。カカシくんは、独りじゃないよ。…こんなおばさんで悪いけど、私もいるよ…」
そういうとカカシくんはプッと噴き出してくすくすと笑い始めた。
「ふふ…ナマエさん、さっきからおばさんおばさんって…そんな歳じゃないでしょ…全然、おばさんじゃないよ…」
そういって濡れた瞳とは対照的に14歳らしく微笑んでいた。カカシくんの左目は、見とれるくらい綺麗な紅い瞳をしていた。
「カカシくんから見たら27歳なんておばさんに見えちゃうでしょー?」
「全然そんな風には見えないよ。…それからナマエさんてさ、結構ズレてるって言われない?」
「う…そ、そんな事、ぃ…言われたことナイ…ヨ?」
ギクッと固まると、それを見たカカシくんはさらにくすくすと笑っていた。…よく友達に言われるのよね、ズレてるって…!
「ナマエさん…っくく!分かりやすすぎ…ふふ!」
「も、もう!妙齢の女性を笑いものにしないのっ!」
しばらく笑い合っているとぐーっとカカシくんのお腹がなった。
「…!」
「お腹すいた?少し遅くなっちゃったけど、ご飯にしよう?」
そういえば出しっぱなしだったナスを手に取り調理をしようとキッチンへ入った。使い慣れた包丁を手にナスを切ろうとすると手がプルプルと震えた。
「あ、あれ?…手が震えてる…」
しっかり握ろうとするとさらに震えが増した。
「…ナマエさん、俺が切りますよ。こうみえても料理するので手伝います」
包丁をすっと取り、食材を切って手伝ってくれた。