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酔っぱらいはお好き? ~2~

晶が抱きついて来たとき……心臓が止まるかと思った。

顔が火照って、胸が熱くなった。

強いお酒の臭いに混じって樹に届いた彼女の甘い香り。

つい強く抱き締めてしまいそうになり、慌てて理性にブレーキをかけた。


塩谷さんは───気付いただろうか?


初めて出会った時から天真爛漫な彼女に惹かれていた。

一度は止めようと思ったindigoも、晶に後ろ髪を引かれ思い止まり結局、あの緩い雰囲気に捲き込まれ今に至る。

ああ見えて、勘の良い方だからな。

ホストクラブをあそこまで切り盛りできる手腕とセンスは尊敬に値する。

何よりあの憂也さんが全身全霊で信頼し、尊敬の念を置いている。

樹は改めて通りを眺めた。


想うのは自由だ。

たとえ、手に入らないだろう人でも。


やっとタクシーを停めると、残り香に想いを馳せながら樹は早足でバーに戻って行った……。
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