光の下に生まれて。
『―――偽ルイージ。』
愕然とした。
聞いたそれは、
自分の名前、だったから。
「俺も・・・・偽ルイージ」
『・・・・・・・・そウ、キみも同ジナんだヨネ』
人影に光が差す。
それは明らかに、
自分と同じ姿形をしていた。
「お前は、何で俺と同じ姿をしてるんだ!?」
『君こソ、なンデ俺とオなジ姿をシテいるの?』
「何でって、俺は偽ルイージだからだ!!」
『違うネ、俺モ偽ルイージだもノ。その証拠ニ、ホラ・・・・』
目の前の自分がある方向を指差す。
その先には―――
兄の、姿があった。
「兄貴!」
俯いて、ただ佇んでいる。
「兄―――」
「ゴメン・・・・・・・・」
呼ぶ声に反応したのかは定かではないが、今のは明らかに兄の声。
「・・・・ゴメンって、どうしたんだよ?兄貴」
何故か不安が頭を過る。
兄が顔を上げる。
その顔は、
涙で濡れていた。
「・・・・兄貴・・・・?」
泣けない自分と兄。
だが目の前にいる兄は、泣いている。
「・・・・兄貴?」
「ゴメ、ン・・・・ゴメン・・な・・・・」
「どうしたんだよ・・・・?」
溢れ出る涙を袖で拭いながらそうとしか言わない兄を見て、どこかまた、不安が過る。