暴走
「好きなんだけど、な……ごめん、ごめんよ」
孵ったばかりの大量のロトム達を逃がしながら、ぼそぼそと俺は呟いた。
言っただけだ。本心はきっと何にも思っちゃいないんだろう。
いつから、こうなってしまったのか。
俺にもわからない。
「……ん! この子で決まり。これから宜しくな」
少しだけ気を使って、弱いポケモンが多い場所に逃がしてきた。
あの場所なら、やっていけるだろうか。
1ヶ月程経った頃、部屋でテレビを見ていると気になるニュースが飛び込んだ。
家の電化製品、特にテレビが急に爆発したり異常を起こす事態が急増しているらしい。
そしてその異常は、隣町からその隣町へと、どんどん広がっているらしい。
でも、何より俺が一番気にかかった事は、
その異常が一番多い町が、
ロトム達を逃がした場所に非常に近い町だという事。
「そんな……、まさか」
偶然だ。偶然だと思いたい。
でも思いたくても思えない。
これはロトム達の仕業に間違いない!!
取り乱した俺は直ぐにテレビの電源を切り、ソファーの上でうずくまった。
どうしよう、
どうして……。
すっかり強くなったパートナーのロトムが、俺の上で心配そうに飛び回っている。
頭の中がごちゃごちゃだ。
どうして良いのかわからない。
こう言う時だけ脳ミソが子供に戻りやがって、ちくしょう。
突然、インターホンが鳴り響いた。
急いで応答するが返事は無い。
次に、外にあった芝刈機が突然動き出し俺の部屋の窓にぶち当たった。
「まさ、か」
電気が消える。
オーブントースターの電源が入り、みるみる内に中の鉄が真っ赤になっていく。
冷蔵庫から冷気が吹き出す。
扇風機が勝手に動き出す。
遠くの部屋の洗濯機が回り出した。
「うわああ、やめてくれ」
頭を抱え込んで叫ぶけれど、止まる筈がない。
俺のすぐそばでロトムが物音に怯え震えていた。
不意にテレビの電源が入った。
画面には砂嵐がうつったままで、不気味な唸りを上げている。
テレビの中から何かが覗いている、気がした。
すぐ後ろのキッチンから、カタカタと物音が響く。
振り向くと、その音は収まっていた。
ロトムが大きく叫んだ気がする。
テレビの強力な磁力に引き寄せられ、
勢いよくこちらに向かって飛んでくる刃物の数々を、
俺は覚えている。
孵ったばかりの大量のロトム達を逃がしながら、ぼそぼそと俺は呟いた。
言っただけだ。本心はきっと何にも思っちゃいないんだろう。
いつから、こうなってしまったのか。
俺にもわからない。
「……ん! この子で決まり。これから宜しくな」
少しだけ気を使って、弱いポケモンが多い場所に逃がしてきた。
あの場所なら、やっていけるだろうか。
1ヶ月程経った頃、部屋でテレビを見ていると気になるニュースが飛び込んだ。
家の電化製品、特にテレビが急に爆発したり異常を起こす事態が急増しているらしい。
そしてその異常は、隣町からその隣町へと、どんどん広がっているらしい。
でも、何より俺が一番気にかかった事は、
その異常が一番多い町が、
ロトム達を逃がした場所に非常に近い町だという事。
「そんな……、まさか」
偶然だ。偶然だと思いたい。
でも思いたくても思えない。
これはロトム達の仕業に間違いない!!
取り乱した俺は直ぐにテレビの電源を切り、ソファーの上でうずくまった。
どうしよう、
どうして……。
すっかり強くなったパートナーのロトムが、俺の上で心配そうに飛び回っている。
頭の中がごちゃごちゃだ。
どうして良いのかわからない。
こう言う時だけ脳ミソが子供に戻りやがって、ちくしょう。
突然、インターホンが鳴り響いた。
急いで応答するが返事は無い。
次に、外にあった芝刈機が突然動き出し俺の部屋の窓にぶち当たった。
「まさ、か」
電気が消える。
オーブントースターの電源が入り、みるみる内に中の鉄が真っ赤になっていく。
冷蔵庫から冷気が吹き出す。
扇風機が勝手に動き出す。
遠くの部屋の洗濯機が回り出した。
「うわああ、やめてくれ」
頭を抱え込んで叫ぶけれど、止まる筈がない。
俺のすぐそばでロトムが物音に怯え震えていた。
不意にテレビの電源が入った。
画面には砂嵐がうつったままで、不気味な唸りを上げている。
テレビの中から何かが覗いている、気がした。
すぐ後ろのキッチンから、カタカタと物音が響く。
振り向くと、その音は収まっていた。
ロトムが大きく叫んだ気がする。
テレビの強力な磁力に引き寄せられ、
勢いよくこちらに向かって飛んでくる刃物の数々を、
俺は覚えている。
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