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第3話

次の日の夕暮、僕はワープホールを使ってスマブラメンバー達の住む寮の中へと侵入した。
こんなにすんなり入れるなら、最初から手下を送り込めばいいのにと思った。
兄さんに急かされて、僕はオリジナルの部屋へと向かう。

休憩中と札のかかったドアを開けると、オリジナルの背中が遠くに見えた。
椅子に座って本を読み耽っている。

「だあれ? 休憩中って札、見えなかったの?」

まったくもう、と振り返るオリジナルの目が僕を捉えると、オリジナルは驚いて椅子から転げ落ちる。
それをチャンスに足膝で床に押さえつけ口を塞ぎ、喉元にナイフをあてがう。

「んぐぅう……!!」
「助けを呼ぶなら今すぐに裂くよ」

そう脅すとオリジナルはびっくりするくらいに大人しくなった。
臆病だとは聞いた事があるけど……正直呆れるしかなかった。

「……僕に大人しく従うんだったら喋れるぐらいにはしてあげるけど……?」

静かに頷くのを確認して、仕方なく開放する。
オリジナルは起き上がって本にしおりをはさんだ後、僕の顔を見る。

「……もしかして、シルクって人の手下?」
「察しが良いようで」
「君はこれから何をするの?」
「敵に教えるわけないだろ」

たまに震える声で次々と投げかけられる質問に淡々と返しながら、オリジナルの顔を見る。
僕が目を合わせただけでオリジナルは肩を震わせた。
見れば見るほど、僕の顔はこいつそっくりだとわかってきて。
いい加減、苛々してきた。

「僕は急いでるんだ、君にはさっさと寝てもらうよ」
「……待って、最後にもうひとつだけ」
「何?」

「……君は僕達メンバーを、殺すの?」




気を失ったオリジナルを確認して、僕は帽子を被る。
部屋を出る為にドアを開けると、目の前に兄さんが仁王立ちで待っていた。

「おせーよ!」
「ごめんね、少し手間取ったんだ」
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