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第3話


「…………」

僕は手の中で小さな瓶をころころと転がす。
中には澄んだ透明な液体。
でも、これは水なんかじゃない。
無味無臭の毒薬。
スマブラメンバー達を穴に落とす仕掛け蓋。


本当に僕はこのままでいいのか?


こんな好きでもない、むしろ嫌いな場所で、
死ぬ事を恐れるが為にせこせこ働いて。
そんなに此処が嫌なら、兄さんとフォビオを連れて逃げだせばいいんじゃないか?

でも、僕らは造られたもの。
この場所にある治癒液に1日1回は浸からなきゃ、
自己修復能力の無い僕らは少し切り傷をしただけでも血を止める事ができない。

それに、僕らが逃げだしたからってなんだ。
工場を潰さない限りは、あんな事は毎日続く。
あんな光景が、毎日。

「……くそ、っ……」



すっかり手のビンは生温かくなっていて。
答えも見つからないのに、僕はもう1週間近くも暇があればこんな自問自答を毎日繰り返して。
なんで、いつからこうなったんだろう。


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