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第2話

「アタシはね、アンタなんかと違ってれっきとした成功作なのよ!
 そんなに死にたいなら殺してあげるわよ! アンタなら殺しても何も言われないもの!!」
「ふ、ぁはは……馬鹿、バカみたいだよ? ムキに、なってさ」
「うるさい!!!」

女性は相手の首をより強く締め上げる。
ルイージ似の男は苦しそうに呻くが、その中で一瞬ふ、と笑う。

その瞬間、男が女性の顔を思い切り蹴り飛ばした。
女性は部屋の薬棚に突っ込み、何本かビンの割れる音が響く。

「……げほ……、失敗作とは言え、僕も男だからね……」

「ッ……アンタぁぁぁ!!」

女性が腕を幾つもの銃口に変形させ、その腕を構える。

「撃ってみろよバカ女! 沢山の薬品があるこの部屋でそんな物騒なモンをぶっ放したら、
 君も、トリックも、兄さんも、周りの部屋のみんなも巻き添えになるだろうけどね!!
 それでもいいならやってみなよ!!」

ルイージ似の男が手を広げてそう叫ぶと、女性は暫くして渋々腕を下ろす。

「……そんな事をしたら、アタシが不良品扱いされかねないわ。
 今回は許してあげる。出会い頭に鉛玉を撃ち込むかもしれないけどね」
「なら僕は爆薬でも持ち歩いた方が良さそうだね」

睨み合う2人。



「やぁ。作戦の準備は終わった?」

2人の間に、突如灰色の髪の少年が現れる。
チャベーは慌てて腕を元に戻し、ルイージ似の男は敢えて少年から目を逸らした。
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