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第2話

子リン「は、速い……今のボクじゃあ太刀打ちできないかも」
カービィ「あの黒い男の人、寒くないのかなぁ」
ルイージ「タンクトップだからね……さむそ……」
ナナ「どうするのよっ、このまま見てるの?」
マリオ「そ、そんな事言われてもなあ~……」
全員で角から覗き込んで会話を交わしていると、女性がこちらに気付いたのか走ってくる。
慌てて逃げ出そうとするが、
「待って!手伝ってくれないか?!」
マリオとナナだけが振り返り、お構いなしに逃げようとする他の面子の首根っこを掴んで連れ戻す。
子供リンクだけはナナが掴み損ね、そのまま寮へと走って行ってしまった。
ルイージ「うわあぁぁごめんなさいぃ~っ!」
カービィ「ボクは食べてもおいしくないよぉ~!」
ナナ「バカ腑抜けっ!落ち着きなさいよ!」
カービィ「ふえぇ?」
落ち着いた2人を見やって、女性はもう一度、手伝ってほしいと言葉を繰り返す。
マリオ「この……戦いをか?」
「そう、あの黒い男を一緒にどうにかして捕まえてほしいんだ」
カービィ「見ちゃったもん、手伝わなきゃ!」
ナナ「当たり前じゃない!」
マリオ「……わかった、手伝おう。ルイージ、お前は?」
ルイージ「ぼ、僕だって!お化けじゃないんでしょ!?」
女性は礼を言ってそのまま戻っていく。
4人も角を飛び出し敵へと走っていく。

「お前らっ!スマッシュ……どおぉっ!!」
黒い男がマリオ達を見て驚き、その隙に影が足を掴む。
男は受け身もできず、顔から地面に激突した。
かなり、痛い。
顔を押えて呻いている男をマントの人物がロープで腕を縛りあげた。
マリオ「(いてえだろうなぁ……あれ)」
カービィ「あれっ」
ルイージ「僕達、来なくても良かったんじゃ」
「来てくれたおかげでスキが出来たんだから、十分助かったよ」
ナナ「……何か物足りないけど、役に立ったんならいいわ」

影「さ、貰ったついでにお前の居場所も吐いてもらおうか~?」
両手両足を縛られた男から小さな何かを奪い取った影が、ずいずいと顔を近付け問い詰める。
「言うかよ!それ以上近寄るな、唾つけんぞ!!」
「そうか、だったら無理矢理にでも吐かせるしかあるまい」
マントの人物が小型ナイフを取り出して歩み寄り、黒い男の首に突き付ける。
ルイージ「(あのマントさんは男なのか)」
「そ……そんな事されたって言わないからな!!」
「じゃあお前の名前だけでも教えてもらおうか」
黒い男がまた断ろうとするが……、
「状況をよく理解できないみたいだな?」
マントの男が蹴り倒し、首にナイフの切っ先を突き付けると表情が変わった。
「っ……ら、ラリアだよ」
「ふん……最初から素直にそう言えばいいものを」
ラリア「そいつは悪かった……な!」
ラリアは縛られている足でマントの男の顎を蹴り上げ、カービィに変身してロープを抜けた。
「ッ……!!!!!」
マントの男は痛みに蹲り、影と女性がそれを飛び越してラリアを追う。
マリオ、カービィ、ナナもそれを追って行った。



ルイージ「だ、大丈夫……、ですか……?」
「はぁなしかけないでくれえ…………」
押し潰したような声でそう言ったきり、たまに呻くだけになってしまった。
そんなマントの男の丸まった背中を、ルイージはただ撫でているしかできなかった……。
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