第1話

ゲームの世界、
此処では「イメージ世界」と覚えておいてほしい。

…そのイメージ世界に、雪が降り積もった頃。
とある所に建つ屋敷の前に、1つの人影。
手には大きなスーツケースを持ち、屋敷を見上げている。

?1「やっと着いた! それにしてもデカイ所だな…テレサのお屋敷よりでけぇかも」
赤い帽子、赤いシャツにオーバーオール。
…何より、特徴的な丸い鼻にヒゲ。
彼は、イメージ世界、キノコワールドの英雄。

?2「待ってよぉ兄さーん!」
?3「先に行くなんてひどいですよおマリオさぁ~ん!」
“マリオ”を追って来たのは、緑の人間と恐竜。
人間はマリオの色違……緑の帽子、緑のシャツにオーバーオール、同じく特徴的な鼻とヒゲ。
恐竜は小さく緑色。
マリオ「おお!ルイージもヨッシーもやっと来たか!」
ルイージ「やっとって、兄さんが大半の物を僕達に任せて先に――」

ずべしゃ。

雪で滑り、すっ転ぶルイージ。
荷物を沢山持ってバランスが悪いから、尚更転びやすかったらしい。
ルイージ「いだい~…」
マリオ「何やってんだよ~?」
雪に埋もれてあうあう呻くルイージを呆れ半分に起こすマリオ。
散らばった荷物を集めるヨッシー。
マリオ「とりあえず! 俺は先に行ってるぜ!」
弟を起こして軽く雪を払ってやると、さっさと小走りで屋敷に突撃して行った。
そしてヨッシーも「先に行ってますね~」と背中に荷物を乗せてマリオの後を追って行ってしまった。

ルイージ「それにしても…大きいなあ、この屋敷。」
そう呟いて屋敷を見上げる。なんだ兄とやる事は同じか。
すると、ポケットから何かを取り出した。
……1枚のカードだ。
ルイージ「でも…何で僕達を呼んだんだろ?」

カードには、こう書いてある。

「ルイージ様
 貴方やお兄さんが必要なんです
 家の外にきっと穴があるはずです
 それに飛び込んで来てください。

 長い間泊まると聞いているので、荷物も持ってきてくださいね」

…それだけ。
場所以外は名前も何も書いていない。
普通ならば警戒するのだろうが、
兄のマリオが
「ま、行くだけ行ってみるのもいいんじゃねぇ?」
と、早々荷物を整理し始め流されるままに自分も着いて行く事になった。
そして家の外に本当にあった穴に飛び込み、出てきたのが今、前にある屋敷から少し離れた場所だった。

ルイージ「……あ、早く行かなきゃ。兄さん達に置いてかれちゃう!」
ハッと思い出したように、屋敷へと走っていった。
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